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卵胞内人工授精(2)

そんなわけで、何とも胡散臭い「卵胞内人工授精」ですが、近年論文が載ってました。まず紹介するのはこちら。えっと、Feasibility and results of a modified intrafollicular insemination technique for treating primary infertility.で、2011年のJ Assist Reprod Genet誌に載りました。イタリアからの報告ですね。結論から言うと9組のカップルに行って、妊娠反応陽性4組(44.4%)、臨床妊娠3組(33.3%)とのことです。うむむむ...

卵胞内人工授精(1)

以前、卵管内人工授精と呼ばれている方法があるが、今年のHum Reprodでけちょんけちょんにダメ出しされている、というご紹介をいたしました。えっと、卵管内人工授精は妊娠率を上げるのか?ですね。では、この方法が生き残るとすると、可能性があるのは男性因子ではないか?ただし、希釈が通常の(子宮内)人工授精に比べて薄まるので何とも言えないが・・・、とも書きました。卵管内人工授精??ということで、かなり風向きは悪い...

これでいいのだ!

医学関係の学会には、その学会を周知するための「キャッチフレーズ」と「ポスター」がある。普通、なんかもっともらしい言葉とイメージ写真みたいなものなのですが、今回凄いインパクトのある学会ポスターを見つけたので、是非ご紹介したいと思います。第19回日本緩和医療学会学術大会のキャッチフレーズが「これでいいのだ!」で、ポスターが、なんと、これ↓「緩和医療」というのはまり聞きなれない言葉かもしれません。僕も上手...

黄体補充を頭を使って考察しよう!(4)

以前、fertility and sterilityに掲載される論文で、「黄体補充はhMG-AIHには有効だが、クロミフェン-AIHでは無効である」という結果が掲載され、その理由について解説しました。えっと黄体補充を頭を使って考察しよう!(1)~(3)で、これとほぼ同じ内容の論文が、これとは別にありましたのでご紹介しておきたいと思います。「J Assist Reprod Genet」誌で、こちら。Efficacy of luteal phase support with vaginal progesterone in...

精子形成と酸化ストレス(4)

具体例行ってみましょうか。例えば、こちら。Anti-inflammatory and varicocele treatment in nonobstructive azoospermia.えっと、症例報告です。内容は、というと、34歳の非閉塞性無精子症の男性がいました。普通ならTESEするんでしょうけど、もう少しマイルドな治療はどうか?と考えてみた。慢性炎症がかるかも、と考え、消炎剤を投与してみた。左の精索静脈瘤の治療もしました。1年後、60万~120万/mlの精子が出てくるようにな...

精子形成と酸化ストレス(3)

で、温度上昇(精索静脈瘤や生活習慣など)以外にも、ウイルス・細菌感染などの炎症、重金属・農薬汚染、生活習慣(喫煙・飲酒)精神ストレスなどが、ROS↑→酸化ストレス上昇と関連していることが指摘されています。で、ROS↑の結果、精系細胞の膜脂質の過酸化・DNA損傷といった酸化障害が起こるのだろう、というわけです。ただし、細胞もやられっぱなしと言うわけにはいかず、生体にはこれまたうまい具合にROSを消去無毒化するシス...

精子形成と酸化ストレス(2)

精巣+精巣上体が陰嚢内にある(腹腔内ではなく)のは、体温よりも低温にするためではないか?という説があるのは皆様もお聞きになったことがあると思います。その例として停留精巣(精巣が陰嚢内に下降していない状態)では、造精機能障害を併発すること。マウスやラットの精巣を手術的に腹腔内に固定すると、停留精巣と同様に造精機能障害を併発すること。精巣を中等度の高温に晒すという実験(動物のみでなく、古にはヒトで実験...

精子形成と酸化ストレス(1)

そんなわけで、先週末、神戸で行われた生殖医学会に参加してまいりました。その中でも印象的だったのが、男性側、すなわち精子の話題が結構盛り上がっていたことです。「生殖機能における酸化ストレスとその対応」と題されたシンポジウムもあり、その発表の中でシンポジストの先生は「造精機能障害には多かれ少なかれ酸化ストレスが関わっている」と発表なさってらっしゃいました。ちなみに、コクランでも「抗酸化剤と男性不妊」は...

Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(13)

続き。最後まで行っちゃいたいと思います。【Hot water:温浴】温浴が不妊に関連していると結論するには、未だにエビデンスが不足しているという状況である。多くの生殖の権威は、高温が精子に与える影響面から、温浴・ジャグジー・サウナも悪影響になるのではないか?という発想に基づいての意見を論じている。Shefiらによる、温浴が精子に与える影響を調べた検討がある。それは、11人の男性にまず、毎週30分以上の高温温浴を3か...

Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(12)

さて、通常モードに戻して、続き【Clothing:衣服】男性が選ぶ衣類はReproductive Healthに影響するかもしれない。陰嚢温度の上昇が精子形成・精液検査所見に悪影響を及ぼすという点があるからだ。その観点から、ピッタリとフィットするタイプの下着が本当に陰嚢温度を上昇させ、精液検査所見に影響するのかについて長いこと議論されてきた。現在までに、ピッタリとフィットするタイプの下着が、ダボダボの下着や下着を身に着けな...

生殖医学会終了

ということで11月15日~16日開催の生殖医学会に参加してまいりました。場所は神戸。関西に行くと、毎度のことながらエスカレータの立ち位置に混乱してしまいます。全国共通にならないものでしょうか?(名古屋の人に聞いたら、名古屋は左に立つと言っておりましたが。)共通にしてほしいといえば、スイカもなんとかなればいいのに(関西のは何て名前でしたっけ?ピタカ?あれ?イコカ?だかそんな名前でしたっけ?)。JRでは使えま...

ダイエット記録 5.5か月経過

【今までのあらすじ】2013年6月1日、久々に体重計に乗ったところ、76.8kgという数字を叩き出し、あまりの自己管理のできてなさに愕然とし、6月2日より緊急ダイエットを始めております。 2013年6月1日 2013年11月12日最近この内容にあまり触れていませんでしたが、もちろん継続してやっております。で、昨日のデーターが上記。スタートより-12.3kg(-16.0%)BMI=22.3目標(BMI=22)まで、あと1kg!「もうゴールでいいんでない?」...

Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(11)

とりあえず学会用のスライド完成!続き。【Contraceptive use(避妊)】コンドーム使用習慣・経口避妊薬使用既往が、(その後の)妊孕性温存に有効であるとする報告はおおい。Revontaらの2010年の報告によると、不妊女性では、過去に経口避妊薬を使っていなかったケースが多く、避妊もあまり行って来なかったケースが多いと報告している。ある報告によると、(妊娠を考えてから)実際の妊娠成立までにかかる時間は、コンドーム使用...

m(_ _)mスイマセン 更新ペースが少し落ちております。

直近、細々と忙しく、なかなか時間が取れず更新遅れて申し訳ないです。来週11/15~生殖医学会が神戸で行われるのですが、その発表準備(スライド作り)12月上旬にまた一つテストを受ける予定で、その試験勉強に追われております。直近、アルコールからもすっかり遠ざかっており、「こんなに飲まないでも大丈夫なんだ。」と、我ながら少し驚かされている始末。そういえば神戸、初めてです。何が名物なのでしょうか?楽しみです。こ...

Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(10)

さて、内容は「大気汚染」「重金属」「農薬」「職業」そして「高周波電磁波」と、個人の力ではいかんともしがたい所に入っていきます。その中で僕ら個人個人ができることがあるのでしょうか?【Air pollition(大気汚染)】大気汚染の強い所では、異常形態精子が増え、運動率が低下し、DNA損傷率が上昇する。女性では、早産率、流産率が上昇する。【Heavy metals(重金属)】鉛は視床下部-下垂体系に影響し、ホルモン状態を変化させ...

目標:ピエロ

>>ジャッロさん非常に建設的なご質問、まことにありがとうございます。同様にご興味のある方もいらっしゃるでしょうから、こちらでお答えいたします。確かに今読んでいる論文では、カフェインの男性生殖能に及ぼす影響の記載はないんですね。では、どのように考えられているのかというと、別の論文からのコピペがこちら。We did not find an association between caffeine and sperm motility, as earlier reported, or an associa...

Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(9)

続き。今日はカフェインだそうです。【Caffeine(カフェイン)】カフェインはペプシの16オンスボトル(ざっと480mlですかね)に50mg、スターバックスのパイクプレイスロースト16オンスカップで330mg含まれている。カフェインは女性の妊孕能にネガティブに影響するようだ。特に一日500mg以上摂取する場合、妊娠成立までに要する時間が9.5か月以上もの開きが出る。最近では、流産、死産との関連が疑われている。一日100mg以上のカフ...

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プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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