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冬休みモード

今日は雑記。直近あったことを大脳皮質を介さずに羅列させていただきます。年末も押し迫ってまいりました。夜間、あちこちでイルミネーションが寒空の中映えます。東京タワーも時節柄、こんな感じになっておりました。なかなかロマンチックでございます。先日、個人的に大ファンである「鳥肌実」さんの講演会@中野に行ってまいりました。相変わらず独創的なスタイルに関心させられます。(以前にも書きましたが、僕個人は至ってノ...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(7)

さて、年末に向けて、「排卵誘発剤としてのアロマターゼ阻害剤」について触れてきました。今日で一旦この内容お終いにしようかと思います。今日の内容は、(3)でも少し出て来た「アナストロゾール(アリミデックス) v.s. レトロゾール(フェマーラ)」についての論文です。リンクはこちら。Anastrozole or letrozole for ovulation induction in clomiphene-resistant women with polycystic ovarian syndrome: a prospective r...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(6)

さて、通常モードに戻って、地道に「普通の」内容に戻りましょう。最先端も重要ですが、日常の方も大事です。今日ご紹介しておく論文は、2009年のfertility and Sterilityのこちら。Comparison of efficacy of aromatase inhibitor and clomiphene citrate in induction of ovulation in polycystic ovarian syndrome.です。内容は、というと、100mg(すなわち2錠)のクロミフェンで卵胞発育を認めないPCOの方に対して、レトロゾー...

未来の一部を確認するか?

本日、天皇陛下誕生日の祝日、日本産科婦人科学会の写真のごときシンポジウムが開かれ、参加してまいりました。体外受精のstepを経ている場合、ETする前の胚の染色体検査が技術的には可能になっており、これをPGS(着床前受精卵遺伝子スクリーニング:Preimplantation Genetic Screening)と呼びます。事実欧米では盛んに実施されており、ぼちぼちエビデンスとしてまとまりそうな感じですが、日本ではPGD(着床前受精卵遺伝子診断...

NR・サプリメントアドバイザーになりました!

で、実は、今年の6月から行っていたダイエットと並行して、ついでに栄養学系の「何か」を復習しようと思い、どうせ勉強するなら何か認定されるものはないか?と探したところ、たまたま見つけたのがこの「NR・サプリメントアドバイザー」という名称のものでした。NRとは、Nutritional Representativeの略で、日本語にすると「栄養情報担当者」だそうです。調べてみると「サプリメントアドバイザー」というのもあっちゃこっちゃで認...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(5)

続き。今日はこの論文の最後まで行く予定です。【Luteal Phase Aromatase Inhibitors:黄体期での使用】レトロゾールを卵子提供プログラムの刺激周期の黄体期に使用した2つの報告がある。ともにエストラジオール低下に成功した。【Letrozole for fertility preservation in cancer patients:担癌患者の妊孕能温存】レトロゾールは担癌患者が抗癌剤治療を受ける前に、受精卵なり卵子を凍結保存する際の排卵誘発に用いられている。...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(4)

続き。【Letrozole for OI for IUI:人工授精時の排卵誘発としてのレトロゾール】レトロゾールは人工受精時の過排卵誘発としても使用されてきた。Abu Hashimらは、軽度子宮内膜症患者136人を対象にした、レトロゾール-人工授精 v.s. クロミフェン-人工授精を報告しており、臨床的妊娠率、累積妊娠率、流産率、出生率は同等であったと報告している。Badawyらは、原因不明不妊280組に対し、クロミフェン100mg-人工授精 v.s. レトロゾ...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(3)

続き【Review of Published Studies Using Letrozole for Ovulation Induction:レトロゾールによる排卵誘発のデーター】最初の「概念実証」以降、レトロゾールは多くの研究者や臨床医から様々な婦人科疾患での利用法が考案されてきた。非常に広まっているが、その多くが「適応外使用」である。レトロゾールは排卵誘発以外にも、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮内膜間質肉腫、人工妊娠中絶などに使用されている。このrevie...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(2)

続きです。【Mechanism of Action of Letrozole and How It Is very different from CC:レトロゾールの作用機序】クロミフェンの問題点は、エストロゲン受容体を枯渇させ、累積し、半減期が長いことにある。一方アロマターゼ阻害剤は卵胞や、抹消組織、脳などで、アンドロゲンからエストロゲンへの変換を阻害する。これにより、次の二つの機序が考えられる血中エストロゲンおよび局所エストロゲン濃度を低下させること。卵巣内ア...

排卵誘発としてのレトロゾール(フェマーラ)のエビデンス(1)

さて、本年最後の企画となるでしょうか。本日より数回に分けまして、アロマターゼ阻害剤の排卵誘発への使用について直近の考え方を勉強しておきましょう。読んでいく論文は、こちら。Current evidence supporting "letrozole" for ovulation induction.で、直訳すると、「排卵誘発剤としての"レトロゾール"を支持する最近のエビデンス」といった感じでしょうかね。あんまり聞かない雑誌なのですが、どうやら、インドの生殖医学会の...

ダイエット記録 祝!達成!

【今までのあらすじ】2013年6月1日、久々に体重計に乗ったところ、76.8kgという数字を叩き出し、あまりの自己管理のできてなさに愕然とし、6月2日より緊急ダイエットを始めております。 2013年6月1日 2013年12月11日ということで、ゴールのBMI=22に到達しました!身長170cmですので、BMI=21.94-13.4kg(-17.4%)おお、我ながらよくやった!で、カミングアウトその2実は僕、5年くらい前、max 93.8kgまで行きました。某ARTクリニ...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(7)

というわけで、インプリント遺伝子のエピジェネティック制御系の話でした。僕自身も未だ消化不良気味であることは否めない所を、さらに噛み砕いた形で解説してきましたので、誤解を与えてしまう表現になってしまったところもあるかと思います。昨日ご紹介いたしました論文の考察のところを少しだけ考えてみたいと思います。「ヒトゲノム計画」という言葉があります(した?)。「染色体上に乗っている遺伝子の塩基配列を全て確定で...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(6)

ということで、今日は、「不妊治療後の小児がんのリスクが増える」としている論文を読んでみたいと思います。最初にご紹介したこちらFertility treatment and childhood cancer risk: a systematic meta-analysis.になります。で、今までお話ししてきたとおりですが、注意点として、(1)この手の内容は「増える」とする報告もあれば「変わらない」とする報告もあり、両論入り乱れています。一本の報告で一喜一憂する類のものではな...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(5)

で、ようやく本題。当初書いた通り、ここから先は非常にデリケートな問題だと思います。僕が書いた砕けた表現で誤解を与えてしまうといけないので、この分野の専門家の先生の論文を参照しておきたいと思います。えっと、生殖補助医療由来の先天性ゲノムインプリンティング異常症です。一ページ目の第二段落~「DNAメチル化に代表されるエピジェネティックな修飾は、・・・・、ヒトARTはインプリントが獲得される時期の配偶子を操作...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(4)

ということで復習すると、両親からもらった遺伝子のうち、特定の親由来のもののみが活性化し、他方の親由来のものは不活化されている遺伝子をまとめてインプリント遺伝子と呼ぶのでした。では、ここで、父親由来の遺伝子(図の青)が活性化して、母親由来の遺伝子(図の赤)は不活化しているインプリント遺伝子αを想定してみましょう。こんな感じですね。父親由来の青は「読んで!」、母親由来の赤は「読まないで!」となっている...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(3)

続き。中学生の頃を思い出して、メンデルの法則を復習してみましょう。例は血液型。A型のお父さんとB型のお母さんからAB型の子供が生まれた場合を考えます。ABOの血液型を決定する遺伝子は9番染色体上にあります。ご存じの通り、染色体は2本ずつ1組ありますね。1本は父親から、もう一本は母親からもらっています。このAB型の子供のの9番染色体上のABO血液型を決定する遺伝子はこうなっている筈です。青は父親からもらった9番染色体...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(2)

【インプリント遺伝子】ではまず、「インプリント遺伝子」というのを理解したいと思います。以下解説では、用語を理解しやすくするために多少砕けた表現をしますので、正確な定義とは異なる可能性がある点をご理解ください。そもそものきっかけとなった実験があります。この実験は、産婦人科の世界では超有名です。卵子と精子が受精した後(精子が卵子に侵入した後)、前核というものが形成されます。精子は精子が持ち込んだ遺伝子...

不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(1)

さて、今日から取り上げてみる内容は不妊治療とインプリンティング遺伝子のエピジェネティックな変化について解説してみたいと思います。正直言って非常にデリケートな問題だと思いますし、僕もネットを始めてから、この内容をネット上に展開することが本当にいいことなのかどうなのか悩みました。実は、この内容のページは大分前に作成済みなのです、が、未だ公開はしていません。(旧「妊活外来へようこそ」のページとして作成済...

卵胞内人工授精(3)

で、続き。卵胞内人工授精(2)でご紹介しましたイタリアのグループから2012年に追加報告が出ました。えっと、Comparison of intrafollicular sperm injection and intrauterine insemination in the treatment of subfertility.です。その後、何が発展したかというと、通常のAIH(=子宮内人工授精)v.s.卵胞内人工授精というわけです。普通の人工授精20組26周期 v.s. 卵胞内人工授精18組21周期妊娠反応陽性率では、通常の人工授精11...

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プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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