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DSM-5の病名の日本語訳が決定しました。

SFD(女性性機能不全)の分類には、「DSM分類」というのが用いられ、去年改訂され、現行はDSM-5分類が用いられることになっている、というのは、過去に何回か触れました。で、この度、DSM-5分類の日本語訳(日本語病名)が決まったようです。えっと、こちら。DSM‒5病名・用語翻訳ガイドラインの、このPDFの444ページですね。Delayed Ejaculation 射精遅延Erectile Disorder 勃起障害Female Orgasmic Disorder 女性オルガズム障...

「精索静脈瘤+非閉塞性無精子症」で、精索静脈瘤を手術したら・・・(2)

そんなわけで、「精索静脈瘤+非閉塞性無精子症」で、精索静脈瘤を手術したら、その後結構射出精液中に精子が出てくるようになって、TESEせずに行けるようになるのでは?というのが昨日の論文でした。で、今日は「精索静脈瘤+非閉塞性無精子症」ですが、精索静脈瘤を手術してからTESE v.s. 精索静脈瘤は手を付けずTESEでどうか?という論文です。リンクはSperm retrieval and intracytoplasmic sperm injection in men with nonob...

「精索静脈瘤+非閉塞性無精子症」で、精索静脈瘤を手術したら・・・

無精子症→無条件で即TESEの流れが出来上がっているかのような感が無きにしも非ずです。まあ、ART真っ盛りのご時世、それでいいのかもしれませんが、アンドロロジスト(男性不妊屋)の多くは、いろいろ頑張っているわけです。例えば、非閉塞性無精子症(NOA)の方に対して、TESEはTESEでも、即TESEではなく、「何かやってからTESE」とかね。その方が、いろんな意味で成績が良い、とする報告が沢山あります。例えば今回取り上げてみ...

ご要望にお応えいたします!「妊活+オナニー」

本ブログ(FC2ブログ)、アクセス解析機能が付いておりまして、皆様の「検索ワード」を知ることが出来ます。で、本ブログにたどり着いた検索ワード、直近は流石に社会現象までなった「モルセレーター」ですが、これを除くと・・・・「妊活」+「オナニー」(または「オナ」)です!「どういうサイトじゃ・・・・・\(^o^)/」いや、いいんです。とってもとっても大事なことです。多分、「していいのかな?」という疑問を感じて検索...

Essureが日本に導入されたらいいなぁ(2)

【バックグラウンド】卵管留水腫がある方が体外受精をする前には、何らかの方法で留水腫を起こした卵管と子宮の間の連絡を断ち切ることが推奨されていて、現行、コクラン(2010)+本邦産婦人科内視鏡手術ガイドラインでは「腹腔鏡下卵管切除または卵管閉塞(切断とかクリッピングとか)」が推奨されています。僕も実際には、「腹腔鏡下卵管クリッピング」を施行させていただいているのですが、これは即ち、「腹腔鏡下手術」が必要...

酸化ストレスと抗酸化物質(7)

【汝、そのサプリ、無条件に飲むべからず】「貧血っぽいんですけど」「はいそうですか。鉄剤出しておきます。飲んでおいてください。」というシーンが仮にあったとしたらどうでしょうか?採血してみました。Hb(ヘモグロビン)の値だけ見て、「ヘモグロビン確かに低いですね。貧血あります。鉄剤飲んでおいてください。」貧血にも種類があり、その貧血が本当に鉄欠乏によるものなのかを確認しないで鉄剤処方、これも普通は行われない...

酸化ストレスと抗酸化物質(6)

【男性不妊に対する抗酸化療法】ROSは、生理的範囲内において、生殖機能上重要な役割を担っています、が、「ROSが過剰発生する」か「抗酸化物質(antioxidants)が低下」し、ROSとantioxidantsのバランスが崩れる(この病的状態のことを「酸化ストレス(oxidative stress)」と言います)と、DNA損傷・精子膜の変化・蛋白変性などが起こり男性不妊に関与しているのではないか?と考えられているわけです(しつこいですが、ROSは生...

酸化ストレスと抗酸化物質(5)

【ネットワーク系抗酸化物質】抗酸化物質(antioxidants)は、ROSにより己が酸化されることによって、抗酸化作用を有するわけですが、己が酸化されたらおしまいか?というと、そうではないんですね。例えば、ビタミンEが酸化されたとすると、コエンザイムQ10は酸化されたビタミンEを元に戻すことが出来るのです。同様に、ビタミンEとビタミンCはお互いを再生し合うことが出来るそうです。ビタミンCとグルタチオンも同様にお互いを...

酸化ストレスと抗酸化物質(4)

そんな感じですっかり「悪者」のイメージが出来上がったROSですが、実は、生体内では必要不可欠であることも事実です。ここでは、精子に関してのROSの活躍っぷりをみて行きましょう。【ROSと精子】去年、京都大学から「精子幹細胞の増殖に、ある一定量のROSが必要である」という報告がなされました。リンクはこちら活性酸素の精子幹細胞に対する増殖促進作用を解明色々なマスコミにも取り上げられたので、目にされた方もいらっしゃ...

酸化ストレスと抗酸化物質(3)

そんなわけで、細胞内小器官の「ミトコンドリア」で、酸素を使ってATPを作るときにROSが出てくるのでした。では、ROSは実際何をどのように壊すのでしょうか?【ミトコンドリアとROS】ミトコンドリアが出したROSが壊す部分で最も多いのが「ミトコンドリア自身」です。ミトコンドリアが出したROSが、ミトコンドリア自身を障害し、障害されたミトコンドリアはますますROSを産生するようになり、ますます産生されたROSはますますミトコ...

酸化ストレスと抗酸化物質(2)

さて今日は、また耳の痛い(笑)話、「生活習慣」の話です。【生活習慣とROS】そんな訳で、僕らが何らかの活動をするには、エネルギーが必要で、そのエネルギー源であるATPを産生する上で、一定量の「活性酸素」が発生してしまうわけです。ということは、「エネルギーを必要とすればするほど活性酸素が発生する」わけですね。と言われると、「激しい運動」というイメージが湧いてきますよね。確かに一応正解なのですが、当然健康維...

酸化ストレスと抗酸化物質(1)

管理人は「NR(栄養情報担当者)サプリメントアドバイザー」という資格も有しております。基本的には「サプリメント」と呼ばれるものの類を推奨はしていないのですが、そんな渋い僕でも唯一認めているのは、男性不妊に対する「抗酸化物質」です。この辺の話は以前にもしました。えっと、こちら。精子形成と酸化ストレス今回は、さらにこれを噛み砕いて「入門編」として、基礎の基礎から一緒に勉強していきましょう。【活性酸素(RO...

生薬論(6)

最終回です。2013/6/7に書いたものです。2013年6月7日(金)生薬論(6)ということで、「クロミフェンの内膜/頸管粘液毒性を植物エストロゲンで中和して、クロミフェンの排卵誘発効果のみをうまく使おう」という発想と解釈してよさそうですね。なるほどなるほど、うまいこと考えるではないですか。なかなか面白い発想です。で、出て来た「ブラックコホシュ」、そんなわけで、エストロゲン様物質があるともないとも言われており、本当に...

生薬論(5)

引き続き(5)は2013/6/6記載です。2013年6月6日(木)生薬論(5)では、皆様待望?のデーターへ。えっと、リンクはこちら。Adding phytoestrogens to clomiphene induction in unexplained infertility patients--a randomized trial.内容は、というと、クロミフェンの排卵誘発時に、同時に「植物エストロゲン」を飲んでみた、という話です。【グループ1】クロミフェン 150mg/day day3~7+植物エストロゲン(ドイツBionorica社のKlima...

生薬論(4)

今日は一気に(4)~(6)を移植してしまいます。まず(4)、2013年6月5日に書いたものです。2013年6月5日(水)生薬論(4)「植物エストロゲン」と聞くと、いかにも「エストロゲン」と同じような働きをしそうですよね。ところがどっこい、ちょっと違うんです。えっと、まず、更年期障害の有害症状を緩和するというのは有名ですよね。閉経によりエストロゲン欠落症状を引き起こすので、この状態で植物エストロゲンを摂取すると、これがあたか...

生薬論(3)

ちょっと時間が出来たので、(3)も移植しておきます。2013年6月4日に書いております。2013年6月4日(火)生薬論(3)サプリメントの話が出て来たので、少し寄り道のお話。病み上がりでガリガリにやせ細っている人に「栄養採らなきゃね!」と励ますのは自然ですよね。一方で、メタボでプクプクにお太りの人に「栄養採らなきゃね!」といいますか?言わないですよね。逆に病気になってしまいます。そういうことなんです。漢方治療には「補...

生薬論(2)

引き続き「ジオログ」からの移植です。今日は、去年の6月2日に書いた内容のコピペです。2013年6月2日(日)生薬論(2)地球ができて46億年、自然界というのは弱肉強食で、弱者はあっという間に淘汰され絶滅し、その環境中で生存しうるのに有利な条件を整えたもののみが生き残れるようになっていると考えられているわけですね。つまり、現在の自然界で生き残っている生物はかなり強かで曲者なはずです。他の生物の生存を利するのみ、そ...

生薬論(1)

本日もお越しいただき、まことにありがとうございます。今は、ここ「FC2」でブログを書いているわけですが、元々はHPの方の「妊活外来へようこそ」を作っていて、その付属で「yah○oジオログ」というシステムを使い、日記を書いていたんですね。で、今日、ふと「yah○oジオログ」の方を見てみたら、なんかyah○oが「ジオログ」を中止するらしいんですね。で、それに伴って、6月9日以降ジオログの内容が表示できなくなるらしいのです。...

PCOの排卵誘発は・・・

コクランは今年、「PCOに対する排卵誘発」に対して、いよいよ「クロミフェンよりアロマターゼ阻害剤」としました。リンクはこちら。Aromatase inhibitors for subfertile women with polycystic ovary syndrome.です。【臨床的妊娠率】14の無作為化比較試験で、「レトロゾール-タイミング」 v.s. 「クロミフェン-タイミング」の結果、「レトロゾール群」の方が臨床的妊娠率が高かった(オッズ比 1.32(95%CI 1.09-1.60))。【出...

モルセレーター使用にFDAが注意喚起を出したよ!

子宮筋腫核出術を腹腔鏡下で行うとき、普通は、取り出す筋腫の方が、腹腔鏡手術の「傷」よりはるかに大きいわけです。では、どうやって核出された筋腫を「体外に」取り出すのか?というと、これがなかなか良く考えられていて、「モルセレーション(morcellation)」という手段を用います。you tubeに動画がありますので、ご紹介してみたいと思います。例えばこちら。(手術画像です。苦手な方は注意してください)Morcellation 2 O...

Essureが日本に導入されたらいいなぁ(1)

卵管留水腫がある場合、体外受精の前に何らかの形で卵管を処理することが望ましく、現行、日本では、腹腔鏡下に卵管切除術か、卵管クリッピング(あるいは、何かしら卵管を閉塞させる)方法が用いられています。この場合、最低「腹腔鏡操作」、すなわち手術が必要であり、患者様に負担がかかるのも事実です。また、何らかの加減で「腹腔鏡手術が到底行えない」場合というのもあるのですが、現行日本ではお手上げです。一方外国では...

子宮内膜症勉強会(10)

今日は63ページ~の3.4のところです。Key questionとして「子宮内膜症性不妊に対して、他に効果的な管理法があるか?」とあります。で、Recommendationとして、The GDG does not recommend the use of nutritional supplements, complementary or alternative medicine in the treatment of endometriosis-associated infertility, because the potential benefits and/or harms are unclear. However the GDG acknowledges that s...

子宮内膜症勉強会(9)

引き続きESHREのガイドラインを読みます。今日は62ページ、3.3の所です。「子宮内膜症性不妊に対する手術療法前後でのホルモン療法は?」という内容です。このページの一番下に2個の「recommendations」がありますね。In infertile women with endometriosis, the GDG recommends clinicians not to prescribe adjunctive hormonal treatment before surgery to improve spontaneous pregnancy rates, as suitable evidence is la...

抗リン脂質抗体の有無は体外受精の結果に影響を及ぼさない

抗リン脂質抗体症候群の臨床症状には、習慣性流産が含まれるのは確かです。妊娠は成立する、でも抗リン脂質抗体の存在により流産が繰り返されてしまうわけです。で、流産よりも、もっともっと早期に抗リン脂質抗体が悪さをすると着床期血流障害、胎盤(絨毛)形成障害が起こり、これが着床障害になるんではないか?という発想がありました。つまり、「"着床障害"の一部は、着床期という超・超早期に、抗リン脂質抗体により"流産"が...

GW如何お過ごしでしょうか?

GW如何お過ごしでしょうか?僕は・・・・・・当直です\(^o^)/かわりと言っては何ですが、5/1に休みをいただけました。休みと言っても、ちょいと下町方向に野暮用があり、用事を済ませた後、少しだけ時間があったので、初:東京スカイツリー!行ってきました。GW中とはいえ、世間様は平日だったせいか(?)、もうそんなもんなのか(?)よく知りませんが、並んだのは20分ほど。しかも、行列の中では、ほぼ日本語が聞こえてこない...

子宮内膜症勉強会(8)~チョコレート嚢胞(3)

以上のバックグラウンドから、ESHREのガイドラインを確認してみましょう。一応、ガイドラインのリンク先を再掲しておくと、Guideline on the management of women with endometriosisです。リンク先の一番下の「READ THE GUIDELINE HERE」というところからPDFが得られます。今日の内容は、61ページの上二つです。えっと、まず、真ん中の方から。The GDG recommends that clinicians counsel women with endometrioma regarding the...

子宮内膜症勉強会(7)~チョコレート嚢胞(2)

内膜症性卵巣嚢腫の続き。本日は、「産婦人科内視鏡手術ガイドライン2013年版」を見てみたいと思います。「不妊症に対する腹腔鏡下手術の効果は?」と題したクエスチョンが設定されております。答えは以下。一般には妊孕性の改善が期待されるが、体外受精の成績および卵巣予備能を低下させる可能性があるです。解説。「嚢胞摘出術(核出術) v.s. 内容吸引・焼灼術」では、嚢胞摘出術(核出術)の方が妊娠率が高い「嚢胞摘出術(核...

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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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