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子宮腺筋症合併不妊(1)

子宮腺筋症という病態があります。病態的には、「病理学的に異所性子宮内膜組織(腺+間質)が子宮筋層内の平滑筋組織内に認められる状態」ということになります。これを、誤解を恐れず平たい言葉で表現すると、「子宮内膜組織は、本来は子宮内膜にしか存在しないはずなのに、なんでか理由はよくわからないけど、子宮の筋肉内に子宮内膜組織ができちゃったもの」という感じです。症状は、ほとんど何もないレベルの方~ひどい痛み(...

ダイエット記録~ダイエット再開・・・orz

【バックグラウンド】世の中には、特段苦労をしなくても適切な体重をコントロールできる人、何もしないと「痩せ」になってしまう人、「肥満」になってしまう人などなどさまざまな方がいらっしゃいます。時に「水を飲むだけで太る」「呼吸するだけで太る」などと(シャレで)表現されることもありますが、本当にそう思いたくなるほど。ただし、これは当然医学/生理学的には正しいはずもなく、多かれ少なかれ"体質"(遺伝多型??な...

正しくオナニーするって、マジで大事(5)

8月も残すところ数日となっております。で、アクセス解析による現時点までの8月中の、本ブログにたどり着いた皆様の「検索ワード」の上位ランクインしたものがこちら。相変わらず「オナニー」「オナニー」「オナニー」・・・・・。大事なことです。いや、本当に大事なことなんです。けど・・・・・本ブログの存在意義は、それだけではないと信じたいorz。でも、ま!マーケティングでは、こうした需要をリサーチし、この分野を伸...

夏休み頂戴しておりました。

先週末~夏休みを頂戴し、国内ですが旅行に行ってきました。場所は↓の県です。僕の両親の出身県なので(僕自身は東京生まれなのですが)、世が世ならこの県で人生を送っていたのかも?などと考えると不思議な気持ちになります。最近あちこちでよく見られる「観光列車」ですが、JR四国でも行われていました。「伊予灘ものがたり」というそうです。残念ながら乗れませんでした。お見送りのみ。佐田岬半島の先端までドライブもしてき...

【夏期講習】不育症(番外編):生食+お砂糖が着床障害に?

不育症の話の途中で少し出てきましたが、今ではほぼ否定されていると思われますが、以前、「抗凝固療法が体外受精反復不成功例の治療になるのではないか?」という発想があったわけです。で、おそらく、その効果の程が検証されていた時期に当たるのであろう2003年に、なかなか面白い論文が発表されていますので、ご紹介しておきたいと思います。その論文は、2003年のfertility and sterilityに載っているこちら、A randomized, dou...

妊娠既往の有無は体外受精の成功率に関係するか?

例えば、「二人目不妊」という言葉があります。正式な用語ではないのですが、一人お子さんがいらっしゃり、二人目を考えているというパターンのことを指しますね。他にも、流産をなさったことがある方、あるいは過去に望まぬ時期の妊娠で中絶をなさった方など、今までに何らかの妊娠をしたことがある方がいらっしゃいます。そうした「(何らかの)妊娠をしたことがある方」が今回妊娠を希望して体外受精を行った場合、「今までに全...

不良オヤジ

日ごろからタバコは吸わず、お酒も舐める程度(?)で、野菜+魚を主食とした極めて健康的な食生活をしていると自負している中年おやじであるが、数カ月に一度、道を外れたい衝動に駆られることがある。今日がその日だった。そんな時御用達なのが、「すた○し」という、非常に美味なのだが、栄養学的評価も非常に気になる丼がある。以前は吉祥寺に食べに行っていたのだが、吉祥寺は自転車の置き場に苦渋するという欠点があった。し...

【夏期講習】不育症(13)

【tender loving care】不育症関連の総説論文を読んでいるとよく見かける言葉に「tender loving care」というものがあります。エルビス・プレスリーの歌を思い起こさせるような言葉ですね。日本語に訳しにくいですが、直訳すると「優しく愛するケア」。つまり、心地良く包み込むような、「守られている」と感じられるようなケア、ということでしょうね。2006年のHuman Reproduction誌に、習慣性流産の総説論文が載っています。Evid...

【夏期講習】不育症(12)

【ヘパリン療法の副作用:HIT】仮にヘパリン療法を行うことになったとして、通常1日2回注射をするのですが、じゃあ、注射だけしていればいいのか?というとそうではないわけです。ヘパリン療法を行う前に「HIT」という副作用について説明があると思います。HIT=heparin-induced thrombocytopenia(ヘパリン起因性血小板減少症)と言って、稀なのですが、発症すると場合によては命にかかわる可能性のある副作用です。典型的には「...

【夏期講習】不育症(11)

【抗凝固療法の問題点】抗凝固療法開始から分娩まで(最初から最後まで)一貫して同一医療機関で診察を受ける場合はいいのですが、アスピリン療法やヘパリン療法を行っていくうえでよくある問題点が「医療機関をまたぐ」ことにより、各々の医療機関で方針が変わってしまうことがある点だと思います。つまり、アスピリン療法やヘパリン療法を不妊治療のクリニックで開始され、妊娠が成立すると今度はお産をする病院へ移動となるわけ...

【夏期講習】不育症(10)

【血栓性素因保有時の治療の考え方】ということで、ガイドラインに従うと、マックス「選択的検査」まで行ったとして、不育症で問題となる可能性のある血栓性素因は、抗リン脂質抗体症候群プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症第Ⅻ因子欠乏症ということになりますね。各々に対する治療法の考え方が、テキストの19ページに記載されています。確認しておきましょう。但し、今テキストとして用いているガイドラインは、そもそも「患者...

【夏期講習】不育症(9)

この血栓性素因の検査で挙げられている項目、「プロテインなんちゃら」とか「抗なんちゃら抗体」とか、非常に化学チックな名前が出てくるのですが、(僕ら産婦人科医はさすがにある程度何なのかは知っていないとまずいですが)皆さんは各々の詳細を知る必要は全くないです。呪文のように「こんな項目調べるんだ」位で流してもらってOKです。【血栓性素因の検査】さて、テキストに戻ります。11ページからです。「血栓性素因の検査」...

【夏期講習】不育症(8)

続き以上の概念をごくごく簡単に図にしてみると、こんなイメージです。(実際にはこんなに単純ではありませんが、理解はしやすいと思います。)「血の固まり具合」というのは、これまた微妙なバランスの上に成り立っているわけです。で、妊娠中は血液凝固能が亢進することが知られています。イメージにすると、下の図のような感じ。「妊娠」という「重り」が天秤に乗るイメージにしてみました。通例は、「妊娠」という「重り」が乗...

【夏期講習】不育症(7)

【血栓性素因(thrombophilia)】では、今日から血栓性素因を扱っていきたいと思います。但し、一般の方にはおそらくなかなか理解が難しいと思うので、今日はテキストを離れて基礎の基礎のお話をしておきたいと思います。医学書を紐解くと、「血栓症を引き起こしうる血液凝固系の危険因子のことを血栓性素因という」などと書いてあります。「人より血が固まり易く、血管の中で血の塊(血栓)ができやすい状態」といった感じでしょ...

【夏期講習】不育症(6)

【染色体異常】テキストの7ページ、12ページ、18ページに記載されています。非常にデリケートな部分ですので、完全に「ガイドライン」に準拠した内容のみを記載します。まず、7ページ妊娠初期の流産の原因の大部分(約80%)は胎児(受精卵)に偶発的に発生した染色体異常ですが、流産を繰り返す場合は、夫婦どちらかに均衡型転座などの染色体構造異常がある可能性が高くなります。とあります。但し、染色体検査というのは、高度...

Essureが日本に導入されたらいいなぁ(6)

Essureと卵管留水腫のバックグラウンド(今日までの経緯)は、こちらを御参照下さい。カテゴリー:卵管留水腫で、某日本語雑誌に採用されたEssureの論文の著者校正(=著者が誤字脱字がないか最終チェックする作業)が来ました。おお。カコイイ。我ながら感無量でございます。そんな訳で、いよいよ「卵管留水腫に対するEssureでの子宮鏡下卵管閉塞療法→胚移植→妊娠→出産」という流れが、日本の医学雑誌に載ります!これが、本邦導...

【夏期講習】不育症(5)

【内分泌異常】テキストの7ページ、12ページ、18ページに記載されています。内分泌異常でスクリーニング検査すべきは「甲状腺機能」と「糖尿病」ですね。で、これらの異常が見つかったら、内科医にコントロールしてもらいましょう、と書かれています。全体の頻度としては、「甲状腺異常」が6.8%で見いだされたとありますね(9ページ図1)書かれている内容は以上なのですが、ここで「ん?」と思われた方もいらっしゃるかもしれま...

【夏期講習】不育症(4)

では、各論まとめてまいりましょう。【子宮形態異常】テキストの11ページの真ん中あたりからです。子宮形態異常とは、子宮が多少ユニークな形態をしている場合のことを指します。いろんなパターンがあるのですが、12ページの図2に描かれているようなものが典型例です。「子宮奇形」という言葉が使用されることも多いのですが、あまりいい響きではないので、この言葉はやめましょう、との提案もなされていますね。なぜこのように子...

【夏期講習】不育症(3)

で、今日は7ページから。「リスク因子」のページです。ここにも記載されていますが、不育症に関しては「原因」という用語を用いず、「リスク因子」という用語を用いましょう、ということです。個別項目はこの後詳しく読んでいきますので、今日の所は「調べると、何%位でリスク因子がつかまるんだろう?」という感覚がつかめるところまで行きましょう。3.反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)のリスク因子①夫婦染色体異常②子宮形...

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プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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