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AIHを極める(8)

体験なさった方はご承知の通り、ETは超音波ガイド下に柔らかいカテーテルを用いて、出血させないように、子宮底につけないように、ものすごく繊細に行われると思います。
一方、AIHはどうでしょう?ETに比べると、「荒い」というかなんというか、緊張度が「低い」イメージがありませんか?
戻すものが「精子」か「胚」かの違いだけで、こんなにも「緊張感」が違っていいものでしょうか?
今日ご紹介するのは、そんな内容に突っ込んだこちらの論文です。Medical Principles and Practiceというあまり聞きなれない雑誌なので検索してみました。「クウェート」の雑誌とのことです。でもIF=0.887とのこと!こりゃ、結構すごい!

内容は?というと、まさに僕が先ほど書いた通りで、「ETをするとき、超音波ガイド下に繊細に行うようになって妊娠率が向上した。なんでAIHではやらないんだい?」ということです。で、AIHを行うとき、「ブラインドで」v.s.「超音波ガイド下に」で比べてみました、という内容です。
  • AIHを行うとき、「超音波ガイド下で」145周期、「ブラインドで」122周期
  • 周期あたりの妊娠率は、「超音波ガイド下で」が23.4%、「ブラインドで」が13.9%で有意差あり
  • difficult IUI(つまり、AIH時になかなかカテーテルが子宮内に入らず苦渋した割合)が、「超音波ガイド下で」が9.7%、「ブラインドで」が26.2%で、これも有意差あり
とのことです。
で、考察としては、
  • ET時に超音波ガイド下にファインに行うようになって妊娠率が上がったが、それがなぜなのかはいまだによくわかっていない。(今回のAIHの検討でも同様だ)
  • 子宮収縮が精液を子宮内から流れ出させてしまうのかも知れない。で、超音波ガイド下にファインにやったほうが子宮収縮が少ないのかも知れない。
  • ブラインドでAIHすると、「traumatic catheterizaition」(つまり、カテーテル挿入で傷をつけてしまうこと)が妊娠率を悪くしているのかもしれない。
とのことです。

ということで、この論文は「超音波ガイド下で」やったほうがいい、という結論に至っておりますが、実は逆に「そんなことやっても無駄」という論文もあります。
次回はその論文のご紹介の予定です。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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