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不妊治療と先天性インプリンティング遺伝子異常(1)

さて、今日から取り上げてみる内容は不妊治療とインプリンティング遺伝子のエピジェネティックな変化について解説してみたいと思います。

正直言って非常にデリケートな問題だと思いますし、僕もネットを始めてから、この内容をネット上に展開することが本当にいいことなのかどうなのか悩みました。
実は、この内容のページは大分前に作成済みなのです、が、未だ公開はしていません。
(旧「妊活外来へようこそ」のページとして作成済みなのですが、どこからもリンクを貼ってはいません。)

しかしながら、近年の情報化社会のペースは著しく進んでいる反面、情報が非常に側面的で偏っています。
ニュースなりネットなりを見ると、なんだかよくわからないけど
「不妊治療と小児癌の関連がある?/ない?」
「不妊治療と小児の精神疾患の関連がある?/ない?」
などといった記事を時々目にすることがあると思います。

正直このレベルのニュースは結果だけを(言葉悪いかもしれませんがある意味)面白おかしくピックアップしているに過ぎず、その考察がほぼなされていません。
そんなレベルの情報でも、「ある」というニュースを見ると不安になり、「ない」というニュースを見ると安心し。
そんな感じなのではないでしょうか?
あるいはそんなレベルのニュースで人生の一大決断したカップルもいらっしゃるかもしれませんね。

実際には、論文レベルではどっちの意見もあります。
統計的には「微増派」v.s.「有意差無し派」といった感じでしょうか。
例えば、「不妊治療と小児癌」で行ってみましょうか。
どちらも2013年の論文です。
えっと、こちらは「有意差あり」
で、こちらは「有意差なし」
です。

上の論文を記事にすると、例えば
「不妊治療で出生の子供、癌のリスク増加!」
になりますし、下の論文を記事にすると、
「不妊治療は自然妊娠と比べ子供の癌のリスクを増やさない!」
となるわけですわ。

で、皆さん混乱させられるわけです。

こうした研究結果の結果だけでモノを論じるから、「有意差あり」と聞くと「ヤバい」と思い、「有意差無し」と聞くと「安心だ」となるわけです。
なので、両論出るたびに一喜一憂になってしまうわけです。

では、そもそも何で「不妊治療」+「出生児の健康状態」でこんなにも議論が巻き起こるのでしょうか?

「何もない」ならそもそも「議論がない」筈で、「何かある」から「専門家が議論している」わけでしょ?

そうなんですね。その通りです。
「何かある」の「何か」には幾つか候補が挙げられているのですが、その一つが今回題名にした「インプリント遺伝子のエピジェネティックな変化」です。

はい。大丈夫です。今の時点でこの言葉の意味が理解できるようなら、それでメシが食えているはずです。
なるべく噛み砕いて説明しますので着いてきてみてください。

何で専門家と言われる人たちがそんなに議論しているのか?が、最後には何となくわかってもらえるように努力します。
そして、それは本当に恐れなければいけないものなのか?避けなければならないものなのか?
もちろん最終判断は個人個人の価値観であり、
「え?そんなレベルのものだったの?な~~んだぁ。」
と感じる人もいれば、
「いやいや、絶対に有り得ない。」
と感じる人もいると思います。

とにかく一番よろしくないのは、事の本質がよくわからず(理解せず・理解できず)、漠然と恐れおののき、よくわからないけどなんか怖いから避けてしまう、(あるいはその逆)だと思いましたので、この解説に踏み切ることにします。

本ページの情報なんて、所詮公衆便所の落書きレベルです。もちろん最終判断は自己責任でお願いします。

また、そういった内容に踏み込みますので、そういった内容に不快感を感じる方は、以降本ページを追わないことをお勧めいたします。

逆に、お読みいただけるなら、最後までお読みいただいてご判断いただくことをお勧めいたします。


皆様の「インフォームド・チョイス」へ、ほんの少しでも足しになってくれたら幸いです。

では、明日以降に続きます。お待ちください。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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