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皆様が戻したその卵、染色体が正常である確率は何%か?(6)

さて、そんなわけで、ここまでの内容をホームページの方にも移しておきました。です。
合わせてご参照くださいませm(_ _)m

では、話を続けます。
もう一本の論文は、2011年のfertil sterilのこちら。で、こちらは、皆さん大好き「胚盤胞の形態分類(ガードナー分類)」の実力のほどを確認しております
先に言ってしまうと、
「え?5ABとか3ABとか騒いでたけど、こんな程度のもんだったの?」
となると思います。お付き合いください。

今日は、その導入部分行きたいと思います。

【バックグラウンド+方法】
  • 形態評価で最も良いグレードと判断された胚を移植しても、着床しなかったり出生に至らなかったり、あるいは逆に低いグレードと判断された胚が元気な赤ちゃんに結び付くことは、日常しばしば経験される。
  • 胚発育停止、着床不全、流産は、胚の染色体異常によることが多い。
  • 現在用いられている形態的に「良好」と判断される条件は、胚の染色体異常の有無と全く関係が無いわけでは無いが、得てして弱い。
  • 今回、CGHによる胚の染色体検査の結果と胚の形態評価の関連を調べてみた。
  • 今回の検討対象は93人で、平均年齢38.5歳(31-47歳)
  • PGSを施行した理由は、35歳以上、2回ETしても妊娠に至らない、2回流産など。
  • 胚盤胞になったものをPGSとした。
  • 検討した胚盤胞は500個

とのことです。
では、その結果を見ていきたいと思います。

【結果1】
  • テストした胚盤胞のうち、56.7%(500個中283個)に染色体異常を認めた。
  • (管理人注:複数の染色体異常を併発している胚もあるので)異常を起こしていた染色体は464本であり、トリソミー(管理人注:本来2本である染色体が3本ある状態)は225本に、モノソミー(管理人注:同様に1本しかない状態)は239本で、どちらもほぼ同頻度であった。
  • 染色体異常率は、31-37歳の群(平均34.6歳)では51.0%、38-47歳の群(平均41.0歳)では60.7%であり、予想通り、女性年齢と強い相関が認められた。
  • 異常を起こす染色体はすべての染色体で認められたが、高齢群/若年群の比で見ると、21番染色体は特に10倍も頻度が増加していたのに対し、12番・14番・18番は5-6倍の増加、1番・2番・11番・15番・17番・20番・22番は2倍以下の増加でとどまっており、その他の染色体では異常率の増加はほとんどなかった
  • このように、加齢に伴い、特に異常を引き起こしやすい染色体とそうでない染色体が有るのかも知れない

とのことです。
加齢に伴い染色体異常率が増加する事が見事に裏付けられていますね。
しかも、染色体によって加齢変化を受けやすいものと受けにくいものがある、というのはなかなか興味深い結果ですね。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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