Entries

女性性機能障害を考察してみる(1)

さて、話は一転、今日からしばらく「女性性機能」を考えてみたいと思います。
僕が拝見するのは、多くは「妊娠したい」というご希望をお持ちの方なのですが、いわゆる「セックスレス」、あるいはそれに近い方、結構多いですね。
確かにご主人さん側の要素の方も多いですが、奥様側の要素の方も決して稀ではありません。
(かつ、これも、「男性も女性も両方とも」というカップルもいて、なかなか奥が深いわけです。

女性性機能障害は、英語でFemale Sexal Dysfunctionといい、頭文字をとってFSDと呼ばれています。

「日本人はそうした質問になかなか答えてくれない」
という意見を目にすることがありますが、そうなんですかね?
僕は、実臨床上(妊娠に向けて)絶対不可欠な情報だと思っているので、初っ端からガンガンオープンに聞いちゃいますが、皆さんすんなり答えてくれることが多いと思いますけど。
聞き方次第なのかな?

で、そうしたことを誰にも話せず悩んでいる方や、場合によっては「耐えている」方なんてのも多いです。
「私みたいな人は稀」みたいに捉えている人も多い。
また、特に女性に多いパターンとして、
「ご主人さんに申し訳ない」
という感情を持っている方もよくいらっしゃいます。

頻度ですが、そんなわけで結構な割合です。全然「稀」ではないですね。
例えば、アメリカのデーターですが、こんな感じ。で、18歳以上の女性31581人中、何らかの性機能上の問題(性欲、性的興奮、オーガズム)がある、と答えた人は43.1%にのぼるそうです。

みんななんらかの形で悩んでいるわけです。

で、「教科書的には」(実は僕は個人的にこの分類に一部腑に落ちていない点があるのですが、ま、それは置いておいて)次のように分類されています。
(細かくはDMS分類といいます。一応解説しておくとアメリカ精神医学会のガイドラインの分類です。ここでは、DSM-IV-TR分類(1994年のガイドライン(IV)を2000年に改定(TR;Text Revision)した分類)を書いておきます。現行は2013年改定DSM-Vになっているそうです。)
  • Sexual Desire Disorders(性欲障害)
    • Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)
    • Sexual Aversion Disorder(性嫌悪)
  • Sexual Arousal Disorder(性的興奮障害):性的興奮を得られない、または、維持できない(管理人注:簡単に言うと「濡れない」ということです。露骨ですいません。)
  • Female Orgasmic disorder(オーガズム障害):オーガズムになかなか達しない、または達したことが無い
  • Sexual Pain Disorders(性交時痛)
    • Dyspareumia(性交疼痛症)
    • Vaginismus(膣痙攣)
ですね。
、「分類」と聞くと、どれに当てはまるだろう?/どれかに当てはめよう、と考えがちですが、そうではないのがこの分類の考え方の特徴です
図を借りてきました。fertil steril 100(4), 2013; 905-からの引用です。



こんな感じで捉えます。
つまり、大元には「Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)」があり、それが「Sexual Arousal Disorder(性的興奮障害)」なり「Female Orgasmic disorder(オーガズム障害)」なり「Sexual Pain Disorders(性交時痛)」の発症要因となり、またそれが「Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)」の原因となる・・・・・・といった感じで悪循環のサイクルに入っている、と捉えること、これがポイントなのだと思います。

(続く)
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dokumotti.blog.fc2.com/tb.php/135-d21ba051

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター