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女性性機能障害を考察してみる(4)

続き
そんなわけで、「Sexual Arousal Disorder(性的興奮障害)」への対応は、
「Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)の改善」+Sexual Arousal Disorder(性的興奮障害)に対する直接的な治療(対応)」
の2段構えで行くわけです。

【Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)の改善】

ご夫婦で考える性教育

そうなんですね。
「相手が十分な性的刺激を受けることが出来ているか?」という視点から再検証してもらうんですね。
「女性がある程度痛いのは当然」
という認識は間違っています。
独りよがりはいけません。
真っ暗な中で(視覚)、タバコの臭いをさせて(嗅覚)、黙って(聴覚)、ロクに前戯・愛撫もせず(触覚)、・・・味覚は知りませんが、で、Hypoactive Sexual Desire Disorder(性欲低下)が改善するわけがない。
どんな刺激が心理的高揚を誘うのか?どんな体位が心地よいのか?
コミュニケーションも大事ですわな。
相手を思いやる「おもてなし」の精神が大事なわけです。
僕の先輩先生が、「AVをBGMに流しながらするといい」と指導していたことがあります(聴覚)。一理あるかもしれません。
・・・・ま、僕もあまり偉そうなことは言えた立場ではないのですが・・・・。(理論と実践は別物?)

年齢的・社会的・精神的状況

「性欲が湧く」という状況は、その人にとって「安全/安心な」環境が必要です。
それに加えて、「自己尊厳」+もちろん「魅力的なパートナー」
自分も日ごろから魅力的に/ご主人さんも日ごろから魅力的に。
ぜひ見直してみてください。
どうにもならないことかもしれませんが、収入と女性性機能障害がリンクする、という話を聞いたことがあります。
「安定的な社会的・精神的状況」も重要なのですね。

薬剤

有名なのは抗うつ剤のSSRIですね。
あとは、ホルモン系で、LH/FSH→テストステロン分泌系を阻害するものはダメですね。
エストロゲン・ピル・GnRHアナログ・アンタゴニストなんかが典型的でしょうかね。
ステロイドは副腎からのDHEA分泌抑制になりますね。
ちなみに、閉経後の子宮手術時両側卵巣も一緒に取ってしまうことが多いのですが、性機能屋さんは「閉経後卵巣でも残せ」と言います。閉経後でも「男性ホルモン」は分泌しているんだから、というのが、彼らの言い分です。

その他

下垂体機能不全、甲状腺機能低下、やせ/肥満などなど。
ここでも体重コントロールは重要です。
ちなみに、このページを見てくださっている方々には、直近関係ないかもしれませんが、閉経後にホルモン補充療法を行うことがあります。
この時、推奨されているのが、エストロゲンを「経口」ではなく「経皮」で補う点です。
「経皮」補充の方が、血中テストステロンを低下させにくいことが言われています。
また、同時に経皮的にテストステロンを補う、という治療も行われています。

【Sexual Arousal Disorder(性的興奮障害)に対する直接的な治療(対応)】

バイアグラ

そんなわけで、男性の勃起障害に対応する病態が女性の性的興奮障害なら、バイアグラがいいんでないかい?という発想の元、実際の研究報告は多いです、が、「効果あり」とする報告も、「効果なし」とする報告もあり、一定の結論には達してない状況でしょうか。

オナニー(マスターベーション)

オナニーを治療に使おう、という発想は結構昔から根強くあるようです。
この考えの発想元とされているのが、Masters先生とJohnson先生(性機能分野のパイオニアの先生たちだそうです)の1962年の論文に記されている内容だそうです(読んだことないのですが)。
で、改良に改良を重ね、実はアメリカでは、現在、その治療用の医療器具が実際にFDAの認可を受けるところまで行っています(この辺、アメリカって凄い!)。
えっと、その名も「Eros」で、リンクはです。
ちなみに、使用法がYouTubeに挙がっていて、です。
英語ですが、音が出ますのでご注意下さい。艶めかしい音は出ませんが、画像はインパクトあるかもしれません。)
「gentle pressureで」
「クリトリスを刺激するのであって、腟内に挿入しない」
「最低でも、一日一回以上を週に4回以上のペースで」
などなど、実際のやり方と共に、その期待される効果として
「クリトリス/性器の感受性が改善し、濡れ易くなり、オーガズムが改善し、結果、全体的な性行為に対する満足感が増す」
となってます(6:43のあたり)
「即効性は無い」
とも言っていますね(7:30のあたり)。
要するに、「濡れる」必要も「イク」必要もなく、とにかく「定時間刺激を加え続けることが大事」という発想です。
で、徐々に改善させよう、ということなわけです。
別にこのデバイスじゃなきゃいけない、というわけではないでしょうから、この辺参考になさって対応考えてみるのもいいのかもしれませんね。

潤滑剤

えっと、これも大真面目に医学論文として検討されたものがあります。
で、商品名が「Zestra」、でリンクがです。
ルリジサという植物のシードオイルにビタミンCやらEやら色々なものを混ぜた潤滑剤だそうです。
で、これを性交渉またはオナニーのシーンで使用することにより性機能が改善する、という報告です。
まあ、これももちろん商品コマーシャルの意図が強いので、何も必ずこれでなければいけない、というわけでは無いでしょうが、こういった類のものを積極的に使用するというのも選択肢の一つだと思われます。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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