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クロミフェンの復習(3)

続き

【INDICATIONS:適応】
  • Anovulatory Infertility:無排卵性不妊
    • 無排卵の原因には、PCO、肥満、視床下部性(摂食障害、体重減少、運動性ないしはストレス、高プロラクチン血症、下垂体腫瘍、甲状腺疾患)や原因不明の場合などがある。
    • クロミフェンは、多くの無排卵/稀発排卵の不妊女性に第一選択として使用される。
    • しかしながら、その作用機序から、クロミフェンは高度な低ゴナドトロピン血性性腺機能低下症(視床下部性無月経)では無効なことも多い。
    • 他の内分泌代謝異常(糖尿病、甲状腺疾患、高プロラクチン血症、先天性副腎皮質過形成)がある場合には、まず、その原因疾患の治療が優先されるべきで、クロミフェンは、その治療を行っても排卵障害が改善しない場合に限って使用されるべきである。
    • クロミフェンは、黄体機能異常の治療として使われているが、そもそも黄体機能異常の診断基準が今の所定まっていない。
    • 無排卵性の不妊の場合のは、AIHがタイミングに比べて妊娠率が上昇するということはない。
  • Unexplained Infertility:原因不明不妊
    • 原因不明不妊に対するクロミフェン-タイミング療法は効果がない。
    • 1990年代には、原因不明不妊に対するクロミフェン-タイミング療法は有効である、という報告が見られていたが、その後1998年の報告では、クロミフェン-タイミング療法は何もしない場合とほぼ同等と報告された。
    • 2008年の報告では、クロミフェン-hCG-タイミング療法と何もしない場合とで比較検討がなされている。その検討では、3個以上の卵胞発育が見られた場合、その周期はキャンセルになっている。その結果、クロミフェン使用群の方が妊娠率が低いという結果だった。
    • 以上の理由から、原因不明不妊に対してのクロミフェン-タイミング療法は行われるべきではない。
    • しかしながら、人工授精と併用する分には、クロミフェンは有効性が認められている。
    • よりアグレッシブな治療(管理人注:体外のこと)の前に一般的に3周期程度行われている。


    ま、この辺の内容も、本HPの読者さんたちには「今更?」という内容になっていると思います。
    一応復習しておきますと、
    クロミフェンによる排卵誘発の目的には2つあるのでした。
    一つは、卵胞発育障害がある方への排卵誘発として、もう一つは、原因不明不妊の卵胞発育数を増やす目的に使います。
    で、各々分けて考えるのでした。
    • 卵胞発育障害がある方への排卵誘発の場合はタイミングでもAIHでも同点(僕がクロミフェン-タイミングを許す唯一の例外)
    • 原因不明不妊の卵胞発育数を増やす目的の場合はタイミングではダメ
    • 特に、原因不明不妊の卵胞発育数を増やす目的の場合で、卵胞発育が1個か2個だと、タイミング療法では逆に妊娠率が落ちている。何もしないほうがマシ。

    というわけです。
    以上の理由、大丈夫ですかね?
    怪しいようでしたら是非復習しておいてください。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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