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精索静脈瘤への向き合い方(3)

今日はちょっとわき道にそれて、診察の話。

精索静脈瘤は、教科書的にはグレード分類がなされています(DubinとAmelarの分類)。
  • グレード3:立位で腹圧負荷なしに視診で診断可能
  • グレード2:立位で腹圧負荷なしに触知可能だが、視診ではわからない
  • グレード1:バルサルバ法(腹圧負荷)によってはじめて触知するか、超音波ドップラー法で確認できるもの(サブクリニカル精索静脈瘤)
ですね。
僕は、最初に教わった方法がそうだった、ということもあるのですが、バルサルバ法をしてもらいつつ、超音波カラードップラー法で診察していたんですね。

そうしたら、ある日、師匠である泌尿器の先生に
「先生、診察丁寧だねぇ。でも、僕らの臨床上では精索静脈瘤の診断をする必要はないんだよ。手術適応の精索静脈瘤の診断をすればいいんだよ。だから、バルサルバ法も超音波カラードップラー法もいらないんだよ。」
と言われました。
いや、この時は「はっ」としましたね。
確かにそうです。

昨日書いた通り、手術適応のある精索静脈瘤というのは、「触知可能かつ精液検査異常」というのが条件と考えられているわけです。
なので、バルサルバ法、まして超音波カラードップラー法で初めてわかるグレードの精索静脈瘤は「診断」しても「治療対象とはならない」、なので、それを診断して何かいいことあるの?という理屈なわけです。
賢い!

それ以降、男性を拝見するとき、バルサルバ法+超音波カラードップラー法、やめました(普通の超音波はやります)。にもまさに同じようなことが書かれています。
このファイルの4ページ目(297ページ)です。
左上の方、太字で「Scrotal Ultrasonography」と書かれているところですかね。
2文目です。

Scrotal ultgrasonography can identify occult varicoceles that are not parpable, but such lesions have no demonstrated clinical significance.
(超音波は、超音波で初めて診断できるような「オカルト静脈瘤」を見つけることが出来るが、その臨床的意味は示されていない。)

そんなわけで、
精索静脈瘤の診断をする必要はない。手術適応の精索静脈瘤の診断をすればいい
一本取られた一言でした。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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