Entries

なんだか取材の依頼が来たよ(5)

ということで、本日お話して来ました。
場所は吉祥寺、吉祥寺第一ホテルのロビーラウンジ。
11時にお約束していたのですが、朝方回診してたら、数分遅れてしまいました。
すいませんでした。

お話した内容的には、本HPの今までのまとめです。
以下、論旨。

(1)現在の生殖年齢前の女性の生活習慣の問題点と思われること。
  • 今のお若い女性は、「痩せ」が大問題だと思っている点。
  • それは、「逆生活習慣病」とも言える状態である点。
  • それでいて病識が薄い点。
  • 多くは「太り方」がわかっていない点。また、医療側もあまり注視しているとは言えないと思われる点。

(2)「妊活サプリ」について
  • エビデンスのあるものは無い
  • 論文的には、時折マルチビタミンが出てくる、で、概ね好評価のようだが、「マルチビタミンを摂取する群」v.s.「しない群」での比較では、母集団に「そのほかの健康志向」でバイアスがかかってしまうであろう問題点+現在のところ、何をどの位飲むといいのかなどが全くわかっていない点
  • よって、サプリメントに「機能」を求めるのは間違った考え方だと思う。基本的には生活習慣(食生活)の改善を意識し、そこで不足する分を「補う・サプライする」という、本来の「サプリメント」の存在意義の通りに利用するべきだと思う。
  • 「不足分を補う」わけなので、個人個人が不足する成分/量は万人違ってくるはずで、本来は個人個人の食生活をきちんと分析したうえでの「オーダーメード」になるべきだと思う。
  • その役割を担うべきなのが、栄養士なり、サプリメントアドバイザーなのだろう。
  • なので、画一的に「妊活サプリ」のように売られているケースを見ることがあるが、違和感を覚える。(医療で言えば、高血糖の人にも低血糖の人にも同じ処方をしているのと同じことになるわけで)健康被害/経済被害が出ないことを願う。

(3)葉酸について
  • アメリカは確かに「should(推奨)」だが、日本(厚生労働省)の立場は明らかに違う。
  • 厚労省(当時の厚生省)の発表は、やっぱり真に「プロ」が作っていると思う。栄養学/医学の真の専門家が作ったのだと思う。すなわち、ベースにある「日本人の食生活」と「欧米型の食生活」の違いがきちんと考察されている。なので、アメリカでは「should(推奨)」だが、日本ではそうはなっていない
  • ただし、厚労省の発表はきちんと「日本人も次第に食生活が欧米化してきていて、個人個人の食生活のグラデーションまで盛り込んでいる」ので、あのような発表になっている。
  • また、栄養学的には、サプリメント摂取に対しては「インフォームド・チョイス」という概念が用いられているが、この言葉を理解した上で再度厚労省(当時の厚生省)の文章を読むと、葉酸摂取に対しては「インフォームしなさい」という言葉に置き換えることができる。
  • すなわち、葉酸摂取は、アメリカは「should(推奨)」だが、日本は「インフォームせよ(情報提供せよ)」という違いがあり、それは、各々の国のベースとなる食習慣の違いがきちんと組み込まれた結果である。あの文書は、本当に「プロ」が作ったんだと感心させられるし、読み解くと非常に勉強になる。
  • なので、街中で、葉酸に対し、「厚労省推奨」という言葉を見かけたら、それは誤りである。
  • 一方、葉酸を「トクホ(特定保健用食品)」に、という動きがあるが、食品安全委員会がstopをかけた経緯がある。それは、葉酸多量摂取により、新生児にアレルギー性疾患(喘息)が増加するのでは?という論文が出たためだ。
  • 直近の論文では、葉酸と児の喘息については否定する報告が続いている様子だが、まだエビデンス形成までは至っていないと思う。

(4)ビタミンAについて
  • 妊娠初期のビタミンA多量摂取による催奇性はもう多くの人の知るところになっていると思うので、敏感な女性は注意していると思う。
  • レバーの多量摂取に注意することと、もし、「インフォームド・チョイス」の結果マルチビタミンを使用するなら、ビタミンAには注意を払うべきである。
  • なお、β-カロテンは今のところ問題にはならないと考えられているようだ。

(5)男性不妊とサプリメント
  • 女性不妊とサプリメントよりは、男性不妊とサプリメントの方が現実性があるかも知れない。
  • これは、精子と卵子の形成過程の違いにより、精子の形成過程では、酸化ストレスが生理的に精子の選別に用いられているだろう点があり、このバランスの乱れが男性不妊の一因になっている可能性があるからだ。
  • よって、実臨床上も「抗酸化療法」と言って、抗酸化剤(ビタミンC、E、CoQ10など)が用いられることがある。
  • よってこの類のサプリメントは有効性がある可能性が秘められていると思うが、これも女性の場合と同じで、画一的に「男性不妊サプリ」みたいに全員に推奨するのはおかしいと思う。
  • なぜなら、目の前の患者さんを個人として、その人がどの程度酸化ストレスバランスが乱れているかの考察がなされていないからだ。
  • よって、専門家の診察によって、患者さん個人個人の状態をきちんと評価して、適応の有無を診たうえでオーダーメードで考えるのがプロとしての医者のすべきことだと思う。睾丸の触診すらせずに「はいサプリ」って、僕は怖くてできない。

などなど。
以上が今回の主題である「不妊とサプリメント」について僕がお話した内容の要旨です。
他にも色々お話しました。
どんな記事になりますでしょうか?楽しみです。

載ってたら教えて下さい。「女性セ○ン」だそうです。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dokumotti.blog.fc2.com/tb.php/172-0dfbab73

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター