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プロラクチン道、始めます!(5)

サルスベリのピンク色は真夏に映えていいですね(昨日、小金井公園で撮影)。


さて、論文抄読の続き

【マクロプロラクチン血症の診断】
  • 血中プロラクチン濃度の検査結果は、モノマーのプロラクチンとビッグ・ビッグ・プロラクチンを区別できていない可能性がある点に注意して解釈しなければならない。
  • 実臨床上はPEG処理法が有効であろう。
  • PEG処理後のプロラクチン回収率が40%以下なら明らかにマクロプロラクチンが多く含まれていると判定してよい。回収率が40-60%ならマクロプロラクチンを含んでいる可能性がある。
【マクロプロラクチン血症を診断/除外するための追加検査】
  • Oliverらは、月経周期が順調な不妊女性に対して、ルーチーンでTSHとプロラクチンを測定することに疑問を呈している。
  • マクロプロラクチン血症の場合、通常、無月経や乳汁漏出といった高プロラクチン血症の症状を呈さない。
  • 「マクロプロラクチン血症である」と診断することは、無用な検査・治療を避けるために重要である。
  • 無用な検査・治療を避けるために、血中プロラクチン濃度が25ng/ml以上だった場合、マクロプロラクチン血症のスクリーニングを行うことが推奨されている。

といった内容になっております。
多少補足しておきます。
「プロラクチン道、始めます!(4)」で解説した通り、
  • 血中プロラクチン濃度はプロラクチンのホルモン活性を必ずしも反映していない。
  • 「マクロプロラクチン」という、ホルモン活性が無いものまで測定されちゃっていて、体質的に「マクロプロラクチン」が多い人の場合、プロラクチンのホルモン活性は正常なのに、血中プロラクチン濃度は高く出てしまうことがある。
  • なので、採血結果のみで「プロラクチンが高いです」「下げなければなりません」というのはどうなのよ?
ということでしたね。
で、ここでは、「じゃあ、マクロプロラクチン血症なのかどうか?」はどう診断すればいいのか?という点が書いてあります。それがPEG処理法だと書いてある訳です。
このPEG処理法、簡単です。PEGとは、生物系やっている人にはおなじみ「ポリエチレングリコール」というもので、PEG処理をして遠心分離すると、マクロプロラクチンは沈殿してしまいます。
で、PEG処理後の上清のみのプロラクチン濃度を計ります。で、
「PEG処理後の上清のプロラクチン濃度」/「元々のプロラクチン濃度」=「プロラクチン回収率」
と定義して、これが40%以下だと、マクロプロラクチン血症で、40~60%だとマクロプロラクチン血症の可能性があると考えましょう、と書いてあるわけです。
(実際には、「プロラクチン回収率40%以下」かつ「PEG処理後プロラクチン濃度正常」が条件になります。)

何度か書きましたが、この論文は2005年のものです。
今日現在では、「マクロプロラクチンへの反応性が低いプロラクチン測定キット」というのも開発されていて、また、それ自体が測定キットの売りになっています。(ちなみにエクルーシス・プロラクチン3というのとケミルミACS・プロラクチンというのが有名です)
(僕自身が不勉強のため、おはずかしながらこれらのキットがなぜマクロプロラクチンを検出しないのかの機序は知りません!今度作っている会社の人に会う機会があったら教えてもらおうかと思っております!)
なので今日では「プロラクチン濃度」は何という会社の何というキットを使って計った結果なのか?というのがミソになっている、という現状なのです。

直近内容が難しくなりすぎました。反省しております。
誰もが気軽に読んで興奮できるアダルトサイト」を目指しているのですが、失格ですね(笑)。
次回、この論文の最終段落をまとめたいと思います。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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