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子宮内容除去術と「薄い内膜」(5)

子宮内容除去術(掻爬)後に、子宮内膜が厚くならなくなるケースが時々いる、という話を少し前にしましたが、その続きです。
イランの「赤新月社」の雑誌でしょうかね。
内容的にはもっとIFの高い雑誌に載っても良さそうな内容なのですが。です。
いつものごとく箇条書きにしていきます。
  • 超音波での子宮内膜厚は妊娠率と関係しているのか?についての結論は出ていない。関連する、とする報告もあれば、しないとする報告もある。
  • 「関係がある」とする報告によれば、6mm-10mmの間で妊娠率が上昇するとしている。
  • しかしながら4mmでの妊娠例の報告もある。
  • 逆に「厚い」方の限界は12-16mmと報告されているが、19mmや20mmでの妊娠例も報告されている。
  • 一方で、妊娠率と子宮内膜の厚さは関係がない、としているDietterichらの報告でも、7mm以下では妊娠は成立していない。
  • 今回、掻爬術後に子宮内膜厚がどのように変化するのか?を検討してみた。
  • 月経周期が順調で、筋腫、腺筋症、内膜ポリープ等が無く、喫煙してない、BMI<30の444人で検討。
  • 排卵前日+排卵後5-7日目の内膜厚を調べた。
  • 全員の子宮内膜厚の平均は、排卵前日で9.80±0.80mm、排卵後5-7日目で10.13±1.17mmであった。
  • 排卵日前日では5%(20人)、排卵後5-7日目では4%(19人)の子宮内膜厚が7mm未満であった。
  • 掻爬術をしたことが無い人では、排卵前日で10.00±0.58mm、排卵後5-7日目で10.62±0.68mmであった。(管理人注:この論文中では「patients with D&C history」とあるのですが、table2では「patients without D&C history」とあり、矛盾します。内容的にどう考えても、論文中のwithが間違いでwithoutが正解と思われますので、そのように訳します。)
  • 掻爬術をしたことがある人では、排卵前日で9.33±1.02mm、排卵後5-7日目で8.98±1.28mmであり有意差を認めた。
  • 過去に受けた掻爬術の回数別では
    • 1回:排卵前日で9.83±0.47mm、排卵後5-7日目で9.64±0.49mm
    • 2回:排卵前日で8.90±0.92mm、排卵後5-7日目で8.48±0.96mm
    • 3回:排卵前日で7.42±0.18mm、排卵後5-7日目で6.32±0.15mm
    • 4回:排卵前日で7.40±0.07mm、排卵後5-7日目で6.90±0.04mm
    であった。
  • よって、掻爬術を繰り返すと、子宮内膜は有意に薄くなるようだ。
  • 掻爬術などの子宮内の侵襲性のある処置は、将来の内膜形成や生殖に悪影響をおよぼすといえる。


とのことでした。
日常何の疑問もなく行われている「子宮内容除去術(掻爬術)」が内膜へ及ぼす影響にも十分注意が払われるべきなのでしょう。
以前確か長崎で行われた生殖医学会の演題で、同じような演題が出ていたと思います。(確かKOの先生の演題だったような。違ったかな?)
また、調べてそちらもお示ししたいと思います。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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