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NICEのガイドラインを時々ななめ読みしてみる(2)

さて今日は、「フーナーテスト」です。
PDFの19ページの真ん中あたりですかね。

1.3.2 Post-coital testing of cervical mucus
1.3.2.1
後の妊娠率を予測する価値ろ持たないので、性交後検査(フーナーテスト)をルーチーンで行うことは推奨できない。


はいっ。気持ちよく完全否定でございます。
僕も何度か書いたかと思うのですが、「頸管粘液」の考え方は不妊治療を行う上で非常に重要なのは間違いないのですが、それを評価するための頸管粘液検査、性交後検査(フーナーテスト)というのが、あまりにもイケていないわけです。
フーナーがpoorだった場合の一番の問題が「検査時間が本当に適期だったのか?」という問題に至るわけで、いかにも診断的価値が薄い。
女性の身体で起こるダイナミックな変化と、acceptされた精子との壮大で美しいinteractionを評価するには、かなり残念な検査なわけです。

NICEのガイドラインがこのような記載になった理由が以下のように記載されています。
  • 11の研究のシステマティックレビューから、性交後検査の予後評価力は乏しく、正当性に欠ける。
  • ある、ランダム化比較試験では、性交後検査を行った不妊夫婦 v.s. 行わなかった不妊夫婦で、その後の累積妊娠率を比較している。それによると、性交後検査をした/しないでその後の累積妊娠率に全く有意差はなかった。

ということで、
「フーナー不良って言われました!!」
とパニックになっている方をお見かけすることがあります。が、冷静に。冷静に。
それ単独では、ほとんど情報としての価値を有していません
本当にその「フーナー不良」が臨床的意義を有しているのか?を点検してください。
周りの状況(例えば頸管粘液分泌不全になる因子はある/ない、精液検査所見は?、検査時期は本当に適期だった?etc etc)の評価が必要です。
どこかで書きましたが、僕は実際の臨床の場で、ルーチーンでのフーナーは(もう)行っていません(昔はやっていたんですが)。
ある特定の条件の場合のみ行っています。
そんな感じです。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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