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肥満と男性不妊(3)

続きです。
第4章は、「肥満だと何でEDになったり、精液異常になるのか?」のメカニズムについてのまとめです。
今日は、その4.1の「Genetic factors」の所行きます。
(ちょっと内容的にはオタッキー過ぎて面白くないかもしれません。(「オタッキー」は死語??))

4.What are the pathophysiological mechanisms?
4.1 genetic factors
  • Klinefelter症候群、Prader-Willi症候群、Laurence-Moon-Bardet-Biedel症候群などの遺伝性疾患は、程度の違いこそあれ、ある程度の「肥満」の症状と「不妊」の症状が同居する。
  • このように(遺伝性疾患で)「肥満」と「不妊」(という、一見関係が無いように見える症状)が同居する、ということは、何かしらの遺伝的関連があることが示唆されるわけだ。
  • Hammoudらは、アロマターゼの遺伝子多型により、体重とエストロゲン濃度が変化する可能性を示唆している。
  • これは確かに、ある特定の肥満男性では、血中エストロゲン濃度が上昇しやすく、結果男性不妊になり易いケースがあり、また、肥満でも(エストロゲンが上がりにくく)男性不妊になりにくい人も出てくることになる。


ちょっと専門的過ぎました。
「肥満」と「男性不妊」という、一見関係が無いように見える症状同士が一緒に出現する疾患がいくつかあります。
で、一方で、「肥満でも性欲モリモリで子沢山」の方もいれば「肥満でEDで精液検査異常あり」となる人もいる。
この2パターンは何が違うのか?という話なわけです。
ここで例として挙げられていたのが、「アロマターゼ遺伝子の遺伝子多型」なわけです。
もう、本当に噛み砕いて表現すると、「体質」ですね。
太ると、脂肪組織が男性ホルモンを"壊して"、女性ホルモンにしてしまうわけですが、この効率に個人差がある、というわけです。
要するに、太っても、脂肪組織があまり男性ホルモンを壊さず、男性不妊を呈さない体質の人と、太ると、脂肪組織がガンガン男性ホルモンを壊して女性ホルモンにしてしまって、男性不妊を呈しやすい体質の人がいる、ということを言いたいわけです。



(以下、オタクな人用)←一般の方は理解する必要ないですよ!
ここで出て来たHammoud先生のpaperは、Fertil Steril 94(5), 1734-, 2010です。
aromatase遺伝子(CYP14A1遺伝子)のintron4にある(TTTA)repeatの回数にpolymorphismがあるそうなのですが、これによって、脂肪組織でのアロマターゼ遺伝子の転写活性の程度が異なり、結果、脂肪組織でのアロマターゼ活性の程度が異なるのではないか?すなわち、(TTTA)repeatの回数により、同じBMIでもT/E2比率が個人個人で違う、よって太ってもE2が上昇しにくい人と、太るとE2が上昇しやすい人がいるのではないか?という論旨の論文です。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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