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生薬論(2)

引き続き「ジオログ」からの移植です。
今日は、去年の6月2日に書いた内容のコピペです。


2013年6月2日(日)
生薬論(2)

地球ができて46億年、自然界というのは弱肉強食で、弱者はあっという間に淘汰され絶滅し、その環境中で生存しうるのに有利な条件を整えたもののみが生き残れるようになっていると考えられているわけですね。
つまり、現在の自然界で生き残っている生物はかなり強かで曲者なはずです。
他の生物の生存を利するのみ、そんな甘っちょろい生物があったらとっくに淘汰されている、ということです。

ご存じの通り、他の生物の生存に利する場合は、己の生存も担保してもらっているわけです。
例えば果実。甘くておいしい実を他の生物に提供するのは、ご存じの通り、種を遠方に移動してもらうのが主目的ですね。

さて、僕は産婦人科医ですので、ここからは、それに特化した内容を論じてみたいと思います。
先日、知り合いの女性(二人目不妊)から
「やっぱり、イソフラボンがいいんですか?」
と聞かれました(実話)。
見事に「善玉」的イメージが出来上がっていますね。
やっぱマスゴミのパワーって凄いねぇ。

さて、本題。
羊の「クローバー病」というのをご存じでしょうか?
1940年ごろに、オーストラリア西部で健康そのものだった羊が不妊になり、流産しやすくなる、という現象が起きたそうです。その原因が、牧草としてヨーロッパから持ち込まれたクローバーであることが判明しました。
そのクローバーには「フォルモノネチン」という植物エストロゲンが多量に含まれており、この植物エストロゲンが羊の体内で「エストロゲン類似作用」をし、内分泌かく乱が起きたため、と判明したそうです。

クローバーにとってみれば、羊は、自らを滅ぼす「天敵」なわけですね。クローバー自らが繁栄するためには、草食動物の存在は脅威なわけです。そこで、植物エストロゲンという「毒」を盛って、羊を不妊にして、天敵の数を減らそう、というわけです。

そういう訳で、植物エストロゲンは当然、典型的な「植物毒」な訳です。
ちなみに羊さん達を不妊にしたレッドクローバーは、更年期障害、豊胸などのサプリメントとして売られています。

植物エストロゲンでもっとも有名なのが、「イソフラボン」ですね。商売根性丸出しのサプリメント屋が広告しまくり、大量摂取が推奨されるかのような風潮にあったため、危機感を持った内閣府食品安全委員会が2006年から過剰摂取に対する警告を行っています。「内閣府食品安全委員会+イソフラボン」で検索してみて下さい。
そこでは、安全な一日摂取量の上限が70~75mg、サプリメントでの上乗せは30mgまで、とされています。
(これがまた「サプリメント屋」に「上限上回っていないので大丈夫!」という口実を与えている訳ですが。)

そういう訳で植物エストロゲンも所詮は「植物毒」。上手に使えば美容、更年期障害などに有効に使えますが、紙一重で「内分泌かく乱物質」です。
特に専門家のチェック無しで手に入ってしまうサプリメントレベルは注意が必要です。
ちょっと検索すると、小奇麗なタレントさんが推奨していたり、
「♪イソフラボンボンボン~」
とか、妙な歌が流されていましたが。
銭儲け主義の方々のイメージ戦略に洗脳されていませんか?
皆さんが「羊さん」になっていないことを願っております。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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