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胚盤胞培養:Can we perform better than nature? (4)

【培養液その3:continuous uninterrupted single medium v.s. sequential media】
そんなわけで、最近、
「培養液を変えねばならないシーケンシャルメディア」 v.s. 「培養液を変えずにぶっ通しで培養するシングルメディウム」
こんな感じの論文をちらほら目にします。
例えばこちら。この論文の論旨はこんな感じ。

【シーケンシャルメディア群】
  • シーケンシャルメディアで有名な会社の培養液を使用(実際の論文には会社名/商品名が書いてありますが、一応ここでは伏せておきます)。
  • day1~day3を初期胚培養液で、で、day3で胚盤胞培養液に、と新しいディッシュに移動させて、培養液を変更した。

【漬けっぱなしシングルメディウム群】
  • こちらもシングルメディウムで有名な会社の培養液を使用(同様に会社名/商品名が書いてあります)
  • で、最後までぶっ通しで、つまり、新しい培養液に"renew"しないで培養。

【結果】
    day3胚での形態評価では、両群間に有意差は無し。
  • day5での胚盤胞形成率は漬けっぱなしシングルメディウム群で有意差を持って高かった。

【考察】
    この結果は、シングルメディウムはシーケンシャルメディアと同等に有用であり、シングルメディウムでの「漬けっぱなし」も、どうやら胚発育にネガティブなものではなさそうだ。


で、もう一本、こちらは学会発表レベルのようですが、こちら。のPDFの左上のやつですね。
同じように「培養液を変えねばならないシーケンシャルメディア」 v.s. 「培養液を変えずにぶっ通しで培養するシングルメディウム」なのですが、先ほどのFertil Sterilとは、シーケンシャル/シングルともに全く別の会社の培養液を用いております。

  • 【シーケンシャルメディア群】day4早期から、胚盤胞培養液にチェンジする群。2423個。
  • 【漬けっぱなしシングルメディウム群】シングルメディウムに漬けっぱなしする群。892個
  • 臨床的妊娠率では両群間に有意差無し。
  • 漬けっぱなしシングルメディウム群の方が、胚盤胞移植を行った確率が高かった(63.5% v.s. 58.8%)。
  • 38~40歳の群で、より胚盤胞移植を行った確率が高かった(56.4% v.s. 43.8%)。
  • 今回の結果からは、シーケンシャルメディアが胚盤胞培養により適しているとは言えない。

この辺は本当にCOI(利益相反、つまりお金)が複雑に絡んでいそうで、一個一個のデーターの解釈が難しいのですが、こんな感じで、シーケンシャルメディアが主流の現在に、シングルメディウムが「漬けっぱなし」を武器に逆襲をかけつつあるといった現状でしょうか?
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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