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胚盤胞培養:Can we perform better than nature? (10)

【胚盤胞移植その5:胚盤胞移植で利益が出る人とは?】
そんなわけで、胚盤胞移植の利点を有効活用するためには、「胚盤胞培養がゆえに発育を停止してしまう胚の分を差し引いても、なお、培養環境下のday5で赤ちゃんに成り得る胚が残る可能性が極めて高い」ということが必要なわけですが、では具体的にどうであればいいのでしょうか?
もちろん今までのデーターの蓄積により、色々言われているのですが、今日現在「ガイドライン的な指標」というのは存在していないと思います
よって、施設施設で独自の条件を設定していることが多いと思います。

中でも、day3胚の割球数[1]とかフラグメントの状態[2]とかを指標にしていることが比較的多いのかもしれません。
僕が修行時代に教わった条件は、「day3でVeeck分類6-10cellG1or2が3個以上」というものでした(あくまでもローカルルールです)。
他にも、同様の条件で5個以上という話を聞いたことがあります。
但し、「初期胚の形態評価」というのも、これまたかなり眉唾で、絶対的な指標とはなりえていないようです
他には、
・新鮮ETは分割期で行い、余剰胚を胚盤胞培養し、胚盤胞になったものを凍結する。
・胚盤胞培養自体をそもそも行わない。新鮮ETも凍結も全て初期胚で行う。
などなど。いろんな意見があるようです。

海外のデーターを見ると、
・hCG注射時に12mm以上の卵胞が10個以上[3]
なんてのもあります。

ガイドライン的な指標が無い分、いろんな考え方があり、いろんな基準が存在しているのが現状だと思います。
但し比較的卵巣予備能が良く、ある程度の数の卵子が得られることが要件となるのはそんなに理解に難しくはないと思います。

[1]Hum Reprod 18: 1307-; 2003
[2]Hum Reprod 13: 676-; 1998
[3]Hum Reprod 13: 3434-; 1998


で、最初の問題を振り返って見てみましょう。

39歳の方が人生で初めての体外受精を受けている最中です。
卵巣予備能が低下していて、どんな排卵誘発をしても、2~3個の卵胞が発育する程度のようです。
今回採卵をして、2個の卵子が採れ、そのうち1個が正常受精しました。
この方にいつ胚移植をしますか?


どうでしょうか?

(まだもう少し続きます)
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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