Entries

「病的でない」人が過剰摂取して妊娠率が上昇する栄養成分は存在するのか?

「妊娠したい」という状況下の精神状態というのは非常に緊迫しています。
経験したことが無い人にはおそらく理解できないであろう位、非常に不安定な精神状態に追い込まれます。

その状況下、いろんな情報が交錯しています。
「あれがいいのではないか?」「これがいいのではないか?」
真に科学的に証明されているものから、体験談レベルのもの、非常に胡散臭いもの、果ては商魂たくましいものまで、玉石混交状態。
・・・・ま、僕のHP/ブログも、所詮その片棒担いでいるレベルなのかも知れませんが・・・・。
なので、その情報の信憑性、すなわち、僕がいつも書いている「エビデンス」が非常に重要だと思うわけです。

本HPの読者様でもあり、実際にも拝見させていただいている方より、先日、こんなメールを頂戴しました。
「少しでも生活習慣の改善点があればと思い、・・・、念のためサプリでも摂っておいた方が安心ということはありますか?」
そんなわけでこの精神状態、非常によくわかります。

で、このメールに対して、お返事をお送りいたしました。
きっと同じようなお考えの方も多くいらっしゃるでしょうから、実際にお送りしたお返事の内容を、以下コピペしておきたいと思います。
(基本的にコピペですが、公にする分、一部改編してあります。)



はい。様々な栄養素と妊娠の関連ですが、僕個人的には「健康な人が(注:病的な人は別ですよ!)過剰に摂取して妊娠率が上昇する栄養素」って、おそらく無いと思っています。
例えば、今日でも、世界には、「現在の日本」で生活している僕たちよりも、おそらく栄養環境はずっと悪かろう、という状況で生活している人が沢山いるわけです。
じゃあ、そんな彼らが「reproduction」するのに特別に苦労しているのか?というとそんなことないわけですよね。
現在の人口爆発の原因とされている国々の多くは、今の日本より栄養環境が悪い所が圧倒的に多いと思います。

また歴史的に見ても、僕らの親世代/祖父・祖母の世代は多産だったわけですが、明治/大正/昭和初期と、おそらく平成の世の中よりは栄養環境はよろしくないと思うのです。

戦時中でも飢饉のときも氷河期も脈々と人類はreproductionをしているわけです。
じゃあ、今日日本で生きている○○さんが、そうした彼らと比べて圧倒的に栄養状態が悪いのか?というと、多分そうではないと思うわけです。

そんなわけで、他人と比べて極端な生活をしていなければ、おそらく特定の栄養素が不足し、reproductionに差し障る、というシーンを想像するのは難しいのではないかな?と思っているわけです。

一方で、「過剰」の方はあり得る話かも知れません。
英語の論文を見ていると、確かに「イソフラボンと精子」というのはしょっちゅう見かけます。
この時にやり玉に挙げられるのが「日本人」で、
「じゃあ、なんであんなにsoyを食べる日本人が大丈夫なの?」
という感じです。
豆腐/醤油/ミソ/枝豆などなど。

なので、栄養素摂取を考える時は、「集団の中の真ん中辺にいるか?」で考えるのが安全な気がしています。
日本人として平均的な食生活をしていれば、少なくとも栄養素が理由で何かしら不利益をこうむることはない。
もしそれで不利益を被るなら、大多数の人が被るわけですから。
偏差値50の栄養状態を目指すのが正解なのだと思います。
不足もだめ、過剰もだめ、という感じです。

いつか紹介したいと思って、後回し後回しになっている、この論文に、栄養素の記載があります。
アメリカの生殖医学会の出しているデーターなので、結構信憑性が高いです。

のこの論文の4ページ目の左側の真ん中辺「DIET AND LIFESTYLE」ですね。

上のTABLE1というところに妊孕性を低下させる要素が書かれております。
肥満/痩せ/喫煙/アルコール/カフェイン/違法薬物/毒素・溶媒ですね。
一方、この段落の2文目のWhereas~、の所ですが、
「健康的な生活習慣は、排卵障害を有する女性の妊孕性向上に関与する可能性があるが、野菜食生活/低脂肪食/ビタミンに富んだ食事/抗酸化剤/ハーブ治療(漢方薬も含まれます)が妊孕性を向上させたり、胎児の性別に影響するというエビデンスはほとんどない」
とありますね。
そんな感じです。
なので、栄養素摂取は特別過剰にしたほうがいい/不足にしたほうがいいというのは、病的な状態を除けばおそらくそう簡単には出ないはずで、「偏差値50」の所を目指すのがいいのだと思うのですが、いかがでしょうか?

リラックスして頑張りましょうね。

では



こんな風に思っています。
しつこいですが、病的状態にあり、補充/制限が必要なケースには当てはまらないことをご承知おきください。


スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dokumotti.blog.fc2.com/tb.php/270-04fa1ab3

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター