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子宮内膜を傷つけて、着床障害を克服する?(5)

で、2012年にいよいよコクランがこの内容に触れてきました。です。

このコクランでは、「子宮内膜を傷つけた群」 v.s. 「コントロール群」での体外受精の臨床成績を、5本のランダム化比較試験をメタアナリシスしております。
このコクランで採用された5本のランダム化比較試験は2009~2011年発表のもので、このうち4本が実際の体外の前の周期に、残りの一本が、採卵当日に傷付けています。その結果

【治療周期の前の周期に傷を付けた場合】
臨床的妊娠率で オッズ比 2.61(95%CI:1.71~3.97)
出産率で オッズ比 2.46(95%CI:1.28~4.72)
で、有意差を持って、「傷を付けた方」が好結果になる。

【採卵当日に傷を付けた場合】
臨床的妊娠率で オッズ比 0.30(95%CI:0.14~0.63)
継続妊娠率で オッズ比 0.28(95%CI:0.13~0.61)
で、有意差を持って、「傷を付けた方」が結果が悪い。

となったとのことです。
ということで、

Endometrial injury performed prior to the embryo transfer cycle improves clinical pregnancy and live birth rates in women undergoing ART.
(ARTを行っている女性では、ET周期の前に子宮内膜を傷付けると、妊娠率・出産率ともに上昇する)

It is advisable not to perform endometrial injury on the day of oocyte retrieval because it appears to significantly reduce clinical and ongoing pregnancy rates.
(でも流石に採卵日には止めた方がいいよ。)

と結論しています。


「子宮内膜を何らかの方法で刺激して着床率を上げよう」という試みがいくつか行われているわけです。
その中でも、こんな感じで今日現在「エビデンス」と呼べそうなものにもっとも近いのは、以上のごとく「子宮内膜に傷を付ける」という方法のようです。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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