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ED、やります!

去る7/9に「シアリス」を売っている会社主催で、EDに関するWebカンファレンスがありました。
その時は生憎所用で見ることができなかったのですが、MRさんに頼んで、昨日、その録画を見せてもらいましたのでそのサマリーです。

そもそも「ED」とは、皆さんどうお考えでしょうか?
僕は、「ED」は「疾患」ではなく、「一症状」と考えるべきだと思っています。
「咳が出ます」「熱があります」「おなかが痛いです」「EDです」
といった感じ。
つまり、PDE5阻害剤の位置づけは、
「咳に咳止め」「熱に解熱剤」「痛みに鎮痛剤」「EDにPDE5阻害剤」
といった感じ。
で、「EDです」というケースでは、「なぜEDなのか?」という風に考えるわけです。
EDの原因を考えていく上で、以下のように分類して考えます。
  • 機能性ED:心因性、精神疾患性
  • 器質性ED:血管性、神経性、内分泌性、薬剤性、陰茎性
(実際にはこんなにきれいに分類できるわけではなく、混合型が多いですが。)

不妊診療の現場では機能性ED(心因性)が多い、と言われますが、必ずしもそんなこともなく、器質性EDの方も結構いらっしゃいます。
前置きが長くなりました。で、昨日拝見したWebカンファは、主に「血管性ED」に関するお話でした。
以下、サマリーを箇条書きにします。
  • 「ED」を自覚している方で、医療機関を受診される方は5%程度。
  • 「年なので」「性交渉の必要がない」「恥ずかしい」などが受診しない理由。
  • 全EDのうち、心因性(機能性)EDが13%、器質性EDが87%。(管理人注:さすがに不妊診療現場では、もう少し機能性の割合が多いイメージがあります。)
  • 「ED」自覚率は、高血圧、糖尿病合併率と比例する。
  • 高血圧では、血圧が上昇するほど、糖尿病ではHbA1Cが高いほどED合併率が高い。また、糖尿病は、長期に及ぶほどED合併率が高い。
  • 狭心症300人でデーターを取ったところ、その49%がEDを合併しており、さらにその2/3は狭心症発症前からEDを自覚していた。そのEDを自覚してから狭心症を発症するまでの平均期間は39か月だった。
  • 冠動脈(管理人注:心臓自体を栄養している血管です)の閉塞性病態が狭心症/心筋梗塞であるのと同様に、陰茎動脈の閉塞性病態がED(管理人注:血管性EDですね)とする考えがある。
  • 冠動脈は直径3~4mm、陰茎動脈は直径1~2mmなので、閉塞の転機が、陰茎動脈でより先に起こりやすい可能性がある。こう考えると、まずEDが起きて、その後閉塞性心疾患が起こるという現象の説明が可能になる。
  • タダラフィル(シアリスのこと)20mgを3×/weekで内服することにより、EPC(血管内皮前駆細胞数)が増加する、というデーターがある。PDE5阻害剤には血管内皮障害改善の直接作用があるのかもしれない。

といった感じでした。
ちなみに、日本性機能学会という学会がED診療ガイドラインというのを出しているのですが(このリンク先のは一つ古いバージョンで、現行版は2012年版です)、ここにも、9ページに「心血管疾患のマーカーあるいは初発症状としてのED」と書かれていますね。
そうなんです。「ED」を、動脈硬化性変化の一症状になっている可能性と考え、その後の虚血性心疾患の発症予防をできないか?という考え方があるのですね。つまり、誤解を恐れずに書くと、
血管性EDは、陰茎に起こった"狭心症"
ととらえよ、というわけです。
体が出してきたSOSのサインである可能性がある
というわけですね。

不妊診療の現場で、よくあるシーンで、
「主人がEDで」→「じゃあ、AIHしましょう」→「妊娠しました。よかったですね。さようなら」

まあ、それはそれでいいのかもしれないんですが、ね。
僕個人的には、せっかくなのでこの先まで突っ込んでいきたいと考えているわけです。
もちろん、不妊治療の解決策としてのAIHはいいにしても、
「EDの原因はなんでしょうね?」
「メタボリックシンドロームにはなっていませんか?」
「血圧、血糖はどうでしょう?」
etc etc
といった風に。

ま、僕個人の考えはいいや。
そんなわけで、たかがED、されどEDですぞ。
また、お心当たりのある奥様方も、改めてそういった視点でご主人様を見直してあげてみてくださいね。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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