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PCOの排卵誘発は・・・(2)

先日、PCOに対する排卵誘発について、コクランが「クロミフェンよりアロマターゼ阻害剤」とした、というのを紹介いたしました。えっと、

で、今年7/10のNew England Journal of Medicineに、いよいよ「PCOに対するレトロゾール v.s. クロミフェンの二重盲検多施設共同試験」の結果が載っておりますので、この論文をご紹介しておきたいと思います。

えっと、管理人注として、「New England Journal of Medicine」という雑誌を解説しておきますと、この雑誌は臨床医学雑誌の中で、世界的にもっとも権威のある雑誌です。
1番。
流石に自分の専門分野でこの雑誌に載った内容を知らない、という医者は存在しなかろう、というレベルで、内容によっては医学部の学生でさえも読んでいるという位のものです。
この雑誌に載った論文1本で、エビデンスが変わってしまいます。

で、そんな医学雑誌にPCOに対するレトロゾール v.s. クロミフェンでレトロゾールの勝ち、という内容の論文が載りました。
リンクはで、New England Journalクラスになると、日本語要約も載っていて、こちら。です。
で、内容は、というと、
  • 750人のPCO患者さんに対して、クロミフェン v.s. レトロゾールで出産率を比較しています。
  • 投与法は、クロミフェン 50mgまたはレトロゾール 2.5mgをday3~5日間がベースで、医師の判断により、クロミフェンは最大 150mg、レトロゾールは最大 7.5mgまで増量可。
  • 医師は卵胞発育を認めなければ、MPAで消退出血を起こしてもよい(管理人注:いわゆる皆さんの言葉で言う「リセット」のことです)。
  • で、週に2~3回の性交渉により妊娠を目指しています。
で、この過程はダブルブラインド(要するに、医者も患者もどちらの薬なのか知らない)で、出産率(妊娠率ではない)を追っかけて行ったのがこのグラフ、というわけです。



で、レトロゾールが有意差を持って出生率が高かった、というわけです。

で、New England Journalに載るレベルになると、普通はこれで世界中のガイドラインが書き換えられるのですが、今回はレトロゾールです。
そうですね。排卵誘発剤としてはオフラベル(適応外使用)なのが現状です。

詳細はこちら。今後どう動いていきますかね?
経過を注意深く見守っていく必要がありますね。

そんなわけで、お約束の警告を付けておかねばなりません。
あしからず。

今日(2014年7月)現在、アロマターゼ阻害剤は排卵誘発剤としての効能は認可されておりません。
即ち、アロマターゼ阻害剤を排卵誘発目的に使用することは、完全に適応外使用です。
本ブログはアロマターゼ阻害剤の適応外使用による健康被害等に一切の責を負いません。


何卒よろしくお願い申し上げますm(_ _)m。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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