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AIHを極める(13)~ダブル人工授精編(3)

【男性不妊に対するメタアナリシス】
で、「男性不妊」のみをターゲットにしたメタアナリシスもちゃんと行われていまして、その論文は、2013年のこちら。です。
  • 5つの報告合わせて1125人が対象。
  • 単回AIHが580周期、ダブルAIHが545周期。
  • 単回AIHの妊娠率は11.0%(60/580)で、ダブルAIHの妊娠率は20.9%(114/545)。
  • 統計学的にはオッズ比2.00、95%C.I.=1.07-3.75で、有意差を持ってダブルAIHの方が妊娠率が高い。
  • ただし、メタアナリシスの対象とした5論文のうち、Liuらの論文の検討対象人数のみで、検討周期全体の50%を占めてしまうほどウエイトが高い。
  • で、このLiuらの論文を除外して4論文のみでメタアナリシスを行うと、オッズ比1.58、95%C.I.=0.59-4.21となってしまい、ダブルAIHに有意な傾向が見られるものの、統計学的有意差は無くなってしまう。
という解析結果でした。
で、この「大部分を占めてしまうLiuらの報告」というのが、初日(7/23)にご紹介した論文です。
で、このメタアナリシスの結果をこの論文はどのように考察しているか?というと、まずもって、原因不明不妊、すなわち、男性因子が無い場合のダブルAIHはそもそも完全否定しています。で、男性因子でも有意差が出るかどうかは微妙であることも認めたうえで、
  • 「男性因子でのダブルAIHは、原因不明不妊での場合とは違うのかも知れない」
  • 「2回AIHすることで、送り込まれる精子数が増えるので、好結果に結び付くのかも知れない」
といった論調で、原文(英語)では「may」がいっぱい使われていますが、原因不明不妊での完全否定に比べると、大分「望みあり」といった論調で記載されています。

以上、ダブルAIHに対する現在の評価を考察してきました。
そんな感じで、男性因子ではない場合の有効性は否定的なようですが、男性因子では捨てたものではないのかもしれません。
皆さんの個別のバックグラウンドを十分考察したうえでの、選択肢の一つとして成立しうるのかも???知れませんね。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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