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【夏期講習】不育症(8)

続き

以上の概念をごくごく簡単に図にしてみると、こんなイメージです。
(実際にはこんなに単純ではありませんが、理解はしやすいと思います。)

「血の固まり具合」というのは、これまた微妙なバランスの上に成り立っているわけです。
で、妊娠中は血液凝固能が亢進することが知られています。
イメージにすると、下の図のような感じ。



「妊娠」という「重り」が天秤に乗るイメージにしてみました。
通例は、「妊娠」という「重り」が乗っても、生理的範囲内で収まるわけです。

で、「血栓性素因」がある方が「妊娠」して胎盤内血栓が生じて「不育症」になるのでは?というのをイメージにするとこんな感じです。
「血栓性素因」+「妊娠」の「重り」で、天秤が振れ過ぎてしまうわけですね。
で、胎盤内で血栓ができてしまうのではなかろうか、というわけです。



ではどうすればいいか?というと、天秤のつり合いをとるために、反対側に「重り」を乗せよう、というわけです。
これが「抗凝固療法」ですね。
イメージにするとこんな感じです。



実際にはこんなに単純なものではありませんが(例えば、「ヘパリン」には抗凝固以外の作用もあるようです)、大雑把なイメージとしてはこんな感じでイメージすると掴みやすいと思います。

こんな感じで
「妊娠したらどのぐらい天秤が過凝固に振れてしまうのだろうか?」
「抗凝固療法をどの程度すれば天秤が生理的範囲内にとどまるのだろうか?」
という微妙なさじ加減が必要なのだろうと思います。
なので、
「○○の検査で引っかかったら、コレをやればいい」
といった単純化/マニュアル化がなかなか難しい分野なのだろうと思うのですね。
そういった「職人芸」的な所を、プロの先生たちが苦労して「マニュアル化」してくださったのが、今読んでいるマニュアルなわけです。

こんなイメージを念頭に置いて、改めてマニュアルの抄読を進めて行きましょう。

続く
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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