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【夏期講習】不育症(10)

【血栓性素因保有時の治療の考え方】

ということで、ガイドラインに従うと、マックス「選択的検査」まで行ったとして、不育症で問題となる可能性のある血栓性素因は、
  • 抗リン脂質抗体症候群
  • プロテインS欠乏症、プロテインC欠乏症
  • 第Ⅻ因子欠乏症
ということになりますね。
各々に対する治療法の考え方が、テキストの19ページに記載されています。
確認しておきましょう。
但し、今テキストとして用いているガイドラインは、そもそも「患者相談対応を行う保健師・助産師」を対象としてありますので、治療法の詳細については細かくは書かれていません。
で、今ご紹介しているガイドラインを作成した研究班は、実は医師向けの提言集も出しているのです。
リンクはこちら。で、リンク先のPDFの5ページめに具体的な薬物療法が示されています。
以下抜粋しておきます。

<抗リン脂質抗体症候群>
  • 真の「抗リン脂質抗体症候群」(=ちゃんと12週間以上空けた2回の検査を行って、2回とも陽性だった場合)は、低用量アスピリン+ヘパリンの適応となる。
  • 偶発的抗リン脂質抗体症候群陽性例(=再検査したら陰性だった)は、エビデンスレベルの高い治療法は判明していない、が、無治療だと流産率が高いことも指摘されているので、低用量アスピリン療法を行うことも一法である。
  • 抗PE抗体陽性例、抗PS抗体陽性例は現在の所抗リン脂質抗体症候群には含まれない。これらの症例に対しての明確な治療方針はいまだ無い。抗PE抗体陽性例者に対してアスピリン療法を行うのも一法である。

<プロテインS欠乏症>
  • 10週までの繰り返す初期流産の既往がある」→未だ明確なエビデンスとなっていないが、低用量アスピリン療法を行うことも一法である。
  • 10週以降の流・死産の既往がある」→低用量アスピリン療法+ヘパリン療法を勧めてもよい。

<プロテインC欠乏症>
  • 明確な管理方針は無いが、プロテインS欠乏症に準じた管理方法を行う。

<第Ⅻ因子欠乏症>
  • 明確な治療方針はないが、多くの場合、低用量アスピリン療法で良好な治療成績が得られる。
  • アスピリン療法を行っても胎児染色体異常を認めない流産、という結果になれば、次回妊娠時に低用量アスピリン療法+ヘパリン療法を勧めてもよいかもしれない。


低用量アスピリン療法単独でよいのか?低用量アスピリン療法+ヘパリン療法で行くべきなのか?が非常に明確に記載されていて、僕個人的にも大変助かっている虎の巻です。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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