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子宮腺筋症合併不妊(3)

子宮腺筋症が不妊原因になりうるとすると、「子宮因子」が考え得るわけです。
つまり、メカニズムとしては、
  • 精子の輸送障害
  • 着床障害または流産惹起
ですね。
このうち、精子の輸送障害が不妊原因になりうると仮定するなら、原理的に「体外受精」によって解決しうることになりそうです。
よって、主なる問題点は「子宮腺筋症の存在が着床障害となりうるか?/流産率を上昇させるか?」ということになりそうです。

では、腺筋症は着床障害を引き起こし、不妊原因となりうるのでしょうか?
これは、体外受精の結果を比較すればいいことになりますが、前述のごとく、腺筋症に関してはなかなか研究デザインが難しいわけです。

事実、いくつかの報告がなされているのですが、「有意差あり」とする報告と「なし」とする報告が半々といった感じです。
例えば、は有意差なしで、

The presence of transvaginal ultrasound diagnosed adenomyosis did not adversely affect outcome in women undergoing IVF/ICSI treatment at our unit.
(超音波上診断された子宮腺筋症は、体外受精の結果に影響を及ぼさないようだ)

と結論していますね。

一方で、は「有意差あり」で、

Ultrasound evidence of adenomyosis has a negative impact on the outcome of IVF.
(超音波上子宮腺筋症が認められると、体外受精の成績が低下する。)
The presence of ultrasound diagnosed adenomyosis was associated with a significant reduction in successful implantation of good quality embryos.
(超音波上子宮腺筋症が認められると、形態良好胚の着床が阻害される。)

などと表現されています。
このように、「本当に子宮腺筋症は着床障害の原因となるのか?」という疑問に対しては、「なる」とする報告もあれば「なし」とする報告もあり、非常に混沌としております。

この様な状況下、今までに報告された全ての研究結果を統合して検討された結果(メタアナリシス)が、本年(2014年)報告されました。この検討結果からは、今のところ、子宮腺筋症あり v.s. なしでの体外受精の成績は、子宮腺筋症がある場合、臨床的妊娠率で約3割妊娠率が低下しており、流産率は約2倍になる、と報告されています

ということで、今日現在、まだ完全解明されたとは言い難いけれど、どうやら腺筋症は子宮因子(着床障害/流産率上昇)になりそうだ、という感じで捉えてよさそうな雰囲気のようです。
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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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