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エストロゲンはプロテインS遺伝子の発現を抑制する

さて、今日書く内容は、正直非常に「オタッキー」(←死語?)な内容です、が、これまた個人的に非常に感心させられた論文なので、なるべく噛み砕いて書いてみたいと思います。

当ブログでも、過去に何回か書きましたが、「ピルを内服している最中は血栓症を引き起こしやすくなり、場合によっては命にかかわることもあるのだ」というのが騒ぎになりました。
えっと、この辺です。で、現在把握されている、低用量ピルでの血栓症による死亡例は13例あるそうです。
このように、低用量ピル服用中や妊娠中は、血液凝固能が亢進し、血栓症を引き起こしやすくなることが知られています。

「不育症」の所で出て来た「プロテインS」という蛋白質があります。
プロテインSは、主に肝臓で作られる蛋白質で、血液凝固を抑制する働きがあります。
「不育症」で問題となる(可能性がある)と指摘されているのは、このプロテインSが遺伝的に働きが弱い(あるいは少ない)「プロテインS欠乏症」という状態で、血液凝固抑制力が低下するので、「血が固まりやすい」状態になる点でした。

では、プロテインS欠乏(症)は、この遺伝的要素だけなのか?というと、実は、「後天性」に「欠乏状態」となることが知られています。
例えば、ビタミンK欠乏、肝機能障害、ワーファリン内服等です。
で、先ほど出て来た、「妊娠中」や「低用量ピル内服中」の方も、採血をするとプロテインSが低下しています。

「低用量ピル内服中」は別として、「妊娠中」にプロテインSが低下するのは、生理的に理に適っているわけですね。
来るべき「分娩」に備えて、血は固まりやすいほうがいい。
よって、体は生理的に血液が凝固しやすい状態になるように変化するわけです。
その生理的変化の結果として、一部、妊娠中に血栓ができやすくなってしまうわけですね。
で、「血栓性素因」をお持ちの方が「妊娠」すると、2重の凝固能亢進因子が加わり、これが「不育症」のリスク因子になるのではないか?と考えられている、というわけでした。

では皆さんに起こる「妊娠すると生理的にプロテインSが低下する」という現象がどのようにコントロールされているのか?というメカニズムの一部を解明した、という論文がこちらです。

【いや!時間が無い!続きはまた明日以降にアップさせていただきます!御免なさい m(_ _)m】


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Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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