Entries

エストロゲンはプロテインS遺伝子の発現を抑制する(続き)

話が途中になってしまってすいませんでした。
続きです。

で、です。

こちらの図7をお借りしてきました。



上の状態がE2(-)、下の状態がE2(+)とあります。
E2はもちろん「エストラジオール」ですね。
で、上のE2(-)、つまりエストラジオールが無い状態では、プロテインS遺伝子がバンバン転写されている、という状態が描かれています。
一方、下のE2(+)、つまりエストラジオールがあると、図の「E2」として六角形状のものが4個描かれているもの(細かくは6角形が3個+5角形が1個です。ステロイド環と呼ばれています)に「ERα」(←エストロゲン受容体αというものです)が結合して、その下流のプロテインS遺伝子が転写されにくくなっている状況が描かれています。

つまり、エストロゲンが作用することにより、プロテインS遺伝子が読まれにくい状態になって、低プロテインS血症状態が作られるというメカニズムがある、ということを示しているわけです。

もちろん、これだけではないわけですが、「妊娠すると血液凝固能が亢進する」「低用量ピルを飲むと血液凝固能が亢進する」「そして、これらの状態で血栓症が起こりやすくなる」というメカニズムの一つとして、エストロゲンによる遺伝子転写活性の抑制がある、ということを示した論文なわけです。

こうしたメカニズムで、来るべき分娩時の出血に備えて、血が固まりやすいように変化しているわけですねぇ。
よくできています。
ピル(エチニルエストラジオール)による血栓症も、こうしたメカニズムが一因なのでしょうね。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dokumotti.blog.fc2.com/tb.php/333-b806f338

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター