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流産後の最適な避妊期間はどのぐらいなのか?(3)

そんなわけで、2005年のWHO発表の「6ヵ月以上説」に反して、最近の報告では、「流産後6カ月未満で妊娠したほうが周産期予後が良い」という結論が見られているわけです。
でも、一口に「流産後6カ月未満」と言っても、流産後即でも、流産後3カ月目でも、流産後5カ月目でも、全部「流産後6カ月未満」になるわけです。
血眼になって妊娠を真剣に目指している方にとっての3カ月は非常に大きいわけです。
じゃあ、世間一般でよく言われているであろう、「3カ月間避妊」というのに真に科学的根拠があるのか?というと、どうなんでしょうか?
この疑問に挑んだ論文が・・・なんとちゃんとあります!で、今日現在、まだ雑誌に掲載されておらず、近未来掲載予定の論文です。

この論文では、「流産後3カ月の避妊を指示すること」を「Traditional recommendation」と言い切っております

内容はというと、同様に、流産~次回妊娠成立までの期間を0-3カ月、4-6カ月、7-9カ月、10-12カ月、12か月以上で分けて、その周産期予後を検討しています。
その結果、出生率は、
  • 0-3カ月:80.4%
  • 4-6カ月:76.4%
  • 7-9カ月:77.1%
  • 10-12カ月:75.7%
  • 12か月以上:64.9%
と、有意差は無いものの、流産~次回妊娠成立までの期間が短いほど、その妊娠の出生率が高い傾向があるというデーターだったそうです。
で、「Traditional recommendation」である「流産後3カ月の避妊」が、科学的にはどうなのか?ということで、「0-3カ月」v.s.「4カ月以上」で比較した場合は、
  • 0-3カ月:80.4%
  • 4か月以上:74.6%
で、これも有意差は認めないものの、少なくとも、「0-3カ月」群の出産率は、それ以降の群に比べ悪くなるということはない、としています

さらには、「3カ月以内」群もさらに分類し、
  • 0-1カ月:83.3%
  • 2か月目:85.9%
  • 3カ月目:76.2%
の出産率であったとのことです。
以上より、筆者の先生はこう結論しています。

Thus, reevaluation of the traditional recommendation for women with a prior pregnancy loss to wait at least 3 months before attempting conception after a prior loss is warranted.
(流産後の女性に、次の妊娠を試みるのに最低3か月間避妊させるという”伝統的な推奨”は、再評価せねばなるまい。)


ということで、この論文では、よく言われる「流産後3カ月避妊」という「伝統的な推奨」は、科学的に(少なくともその後の出生率という観点から)評価すると疑問がある、というわけです。

次回、この話の最終章を予定しております。
【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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