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内膜症患者さんの「心理」

子宮内膜症は、典型的には月経困難症(生理痛)、排便時痛、性交時痛etc etc、始終痛みに苦しめられ、妊孕性が低下し(不妊になり)、破裂、感染、果ては悪性転化などの不安も伴い、その方のQOLを著しく低下させます。
僕が言うのもなんですが、非常に辛そうな疾患です。
本当に「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」「歯を食いしばって」といった感じになってしまっている方もいらっしゃいます。

女性特有の疾患ですが、この内膜症に苦しんでいる方の「本音」を聞くと、時にハッとさせられます。
「そんな事まで考えているんだ・・・・」
そんな内容を少しご紹介してみたいと思います。

内膜症で苦しんでいらっしゃる方の話を伺うと、ご主人さん(あるいはパートナーさん)に対して「申し訳ない」という感情を持ってらっしゃる方がとても多いことに気付かされます。
ご結婚なさっている方の場合、
「主人は子供が好きなのに、なかなか産んであげられないのが苦しいし悔しい」
というのが多いパターン。
「夫は、私以外の人と結ばれた方がよかったのかもしれない」
とまで打ち明けてくださる方もいらっしゃいます。

お付き合いなさっている方の場合、「内膜症であること」を引け目に感じている方が多いです。
内膜症ゆえに積極的になれない、一歩引いてしまうという感じ。
「結婚はしたいけれど、こんな状態だし、申し訳ない。」
「彼には、私ではないほうがいいのかも知れない。」
などなど。
ドラマのような、小説のようなセリフが出てきます。

ご自身が苦しんでらっしゃるからでしょうか。
ご主人さん、あるいはパートナーさんのことをそこまで思いやっていらっしゃるわけです。
何とも奥ゆかしく、美しく、切なく、何というか・・・・・、優しい。
お話を聞いている僕も、涙腺が緩んでしまいそうになることもしばしば・・・・。

「そこまで思い詰めていたんだ・・・・」

といった感じです。
でも、実際僕が客観的に拝見させていただいていると、
「そこまで悲観的にならなくてもいいんじゃないかな?」
というケースも多いです。
「悩むよりもまず動いちゃった方がいいんじゃないかな?そんなに悲観的な状況ではないかもしれないよ。」
というパターン。
「考えが少し悲観的過ぎかも」
「take it easyでいいんじゃないかな?」
というケースですね。

そんな場合、余計なお世話なのかもしれませんが、患者さん御本人さんに許可をもらい、御主人さん(時にはパートナーさん)にもいらっしゃっていただいてお話をさせていただきます。

「内膜症とはこういう病気です」
「今の奥様の身体の状態はこんな感じです」「こんな症状がおありです」
と、病気のお話をさせていただくのですが、同時に、
「今、奥様はこのようにお考えで、お悩みです」
「ご主人様に対して、このような引け目を感じてらっしゃいます」
とお話をさせていただく事もあります。

やはり、患者さんがそこまで思いを寄せるご主人さん(パートナーさん)だけあって、ご主人さん(パートナーさん)も大概よくわかってらっしゃいます。
そうして、「内膜症を持った妻(ないしは彼女)」をきちんと理解し、受け入れてくださることが多いと思います。

内膜症も患者さん自身一人で悩むのではなく、夫婦単位(カップル単位)で受け入れて考えていく。
そうすることにより、よりpositiveに臨めるカップルになることができるのかな?と思っています。

えてして「一人で悩んでいる」場合、悪い方に悪い方に考えが向かってしまっている場合が多い感があります。
「一人で悩む」のではなく、「カップルで考える」という状態に持っていく。
余計なお世話なのかも知れませんが、その方が結果的にいいのではないか?と僕は思っています、し、僕なりの内膜症への対処法でもあります。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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