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運動性無月経

昨日、三鷹市内で講演会があり参加してきました。
演者は、四季レディースクリニックの江夏先生という方で、スポーツドクターの産婦人科医?産婦人科のスポーツドクター?というユニークな経歴の先生で、オリンピック選手のようなバリバリの女性アスリートの婦人科疾患を専門になさっておられるそうです。

「マラソン選手のようなバリバリの女性アスリートは生理が止まる」

と言うのを聞いたことがあると思います。
運動性無月経という用語が使われています。
基本病態は「体重減少性無月経」とほぼ同じと考えていいと思います。
過度の運動による利用可能エネルギー不足(low energy availabilityと言うそうです)による体重・体脂肪の減少+精神的・身体的ストレスにより無月経になるわけですね。
キスペプチンニューロンがGn-RHニューロンにstopをかけることにより無月経になるわけです。

この場合、卵胞発育がありませんので、エストロゲンの分泌が無くなります。
エストロゲンの分泌が無くなると、骨塩量が低下し、骨粗鬆症になります。
で、骨粗鬆症状態のまま過度の運動をするので、骨折(疲労骨折)を起こしやすくなるわけですね。
時にはこれで選手生命が絶たれてしまう場合もあるそうです。

low energy availability→体重・体脂肪の減少+精神的・身体的ストレス→無月経=低エストロゲン血症→骨粗鬆症+更なる運動負荷→疲労骨折

という構図なわけです。
女性アスリートにはこうした健康上の問題があり、この点を、選手自身のみならず、その指導者にも認識してもらい、環境を改善していきたい、と活動なさっているそうです。

で、基本病態は体重減少性無月経であり、アスリートとして現役中の問題点は骨粗鬆症、骨折なわけですが、では、その後の妊娠出産はどうなるのか?という疑問が湧きますね。
で、昨日の話によると、現役時代無月経だった実業団選手17人のデーターがあり、引退後妊娠に際し16人は自然妊娠し、不妊治療が必要だったのは1人のみだったとのことです。
トップアスリートで運動性無月経の選手は、引退後ほとんどの場合急激に体重が増加し、1年経つとほぼ月経周期が順調に戻るのだそうです。

確かに病態的には同じ「体重減少性無月経」でも、運動性の場合はそもそもエネルギー摂取量自体が(標準と比べて)少ないわけではないわけですね。
消費エネルギーが異常に多いので「体重減少性無月経」になる。
なので、「引退すると」消費エネルギーが低下するので、正常な状態に戻るわけですね。
そういう意味では、一般的な(?)摂取エネルギーが少ない「痩せ」の月経不順のケースとは大分違うわけですね。
同じ「エネルギー不足」でもoutputが多い場合とintakeが少ない場合との違いがあるわけです。

かつ、一流アスリート選手たちの自己管理能力の高さは非常に優れている点もあるそうです。
一流選手達にとって体重コントロール(減量ではなく、標準体重をキープすること)はそんなに難しい問題ではないのでしょう。


そんな感じでなかなか面白い話を聞けました。
参考までに。

ところで
昨日の講演会の協賛企業であった日本新薬(ルナベルやシアリスなど)さんが、子供向けの絵本を作るために、その物語と絵の募集をしているそうです。
本HP/ブログをお読みいただいている方で、僕宛のメールに自作の絵を添付してくださる方が結構いらっしゃるので、自信のある方は応募してみては如何でしょうか?
物語のみでもOKのようです。です。
賞金も出るようですし。是非!
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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