Entries

「生殖医療の必修知識」メモ(番外編)~排卵誘発法別治療成績

【バックグラウンド】
日本生殖医学会編「生殖医療の必修知識」が2014年10月に刊行されたので、これを読んでいます。
これを勉強した内容の、管理人の個人的なノート。〆(・ω・ )メモメモ。


ということで、日本生殖医学会編「生殖医療の必修知識」を読みつつ、本ブログへアップしております。
本ブログへのアップは200ページ前後の内容をようやくアップ出来たところなのですが、リアル管理人はあと少しで読み終わり、と言うところまで来ております。
で、ちょっと先のページの所に、恐らく皆様の知りたいであろうデーターが紹介されていましたので、こちらを先に記載しておきます。
「生殖医療の必修知識」ではp335-なのですが、日本のARTオンライン登録データーの解説が記されています。
で、このARTオンライン登録データーは日本産科婦人科学会によりオープンにされているデーターで、からダウンロードできます。

で、「生殖医療の必修知識」では、このPDFの16ページの円グラフを図8、17ページのグラフを図9、18ページのグラフを図10として解説してあります。
では、その解説行きます。
青い太字は本文です。

(刺激方法の検討では)自然周期、クロミフェン周期、が登録周期の約半数を占め、GnRHアナログ併用周期の一部も含め低刺激周期がかなりの部分を占めると推測される。しかし、妊娠が成立した例に対象を絞ると過半数はGnRH agonist併用周期で、GnRH antagonist併用周期を含めるとART妊娠の3/4はGnRHアナログ併用による刺激周期に由来している。


図8

刺激方法別、年齢別の妊娠率を検討すると、刺激当たりの妊娠率(図9)はすべての年齢でGnRHアナログ併用>自然>クロミフェンの順に高く、移植当たりの妊娠率(図10)は、自然周期>GnRHアナログ併用>クロミフェンとなる。


図9


図10

刺激法の特徴に加えて、各刺激法が選択される経緯(施設による差)、患者背景(年齢や卵巣予備能など)に差があることが推測され、一概にどの方法が優れているとは言えない。

とのことです。
治療法を選択していくうえでも、非常に有益なデーターですね。
まず、日本で行われたART全体では、周期数は低刺激と高刺激はほぼ半々というわけです。
でも、結果成立した妊娠は、高刺激が3/4で、低刺激で妊娠したのは、総妊娠の1/4を占めるのみ、というわけです。
ただし、もちろんこれのみで高刺激が優れている、というわけではないですね。
両刺激法を行う患者層に当然バイアスがかかっているでしょう。
一般に、高齢なほど、卵巣予備能が低いほど、低刺激が選択されるでしょうから。

で、図9は、周期あたりでは、どの年齢層でも、高刺激が一番妊娠率が高いわけです。
ただし、これも卵巣予備能によるバイアスがかかっている可能性がありますが。

図10は、移植当たり、ですから、「内膜の受け入れ」と考えてもいいかもしれませんね。
自然に比べて、クロミフェン周期なり高刺激の方が採卵数は多いでしょうから、ET可能周期になったとすると、「移植胚の質が自然周期より劣っている」とは考えにくいので、内膜の受け入れ因子の方が大きく働くでしょう。
クロミフェンはやっぱり・・・といった感じですかね?
高刺激はよく、「不自然に高いエストロゲンにより構築された内膜」と言われ、嫌われますが、思ったほど悪くは無い、とうい印象ではないでしょうか?

どうでしょう?
もちろんバイアスがかかっているので、優劣は論じられませんが、ARTで妊娠した人の4人中3人は高刺激とのことでした。
この事実をどう受け止めるべきか?
こんな現実も判断材料になるかと思い、急遽ご紹介させていただきました。

いつも書いていてしつこいのですが、
「身体に優しい」ことが皆さんのエンドポイントではない!
わけです。
(いや、優しいに越したことはないのですよ。もちろん。)
何が真の最終目標なのか?
低刺激or高刺激は「雰囲気/イメージ」で決めるものではない、「医学的必要性」で決まるべきだ、と僕は思っているわけです。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://dokumotti.blog.fc2.com/tb.php/360-1fefb827

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター