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TESE(精巣内精子回収法)の歴史を復習しておく(1)

本当に更新が滞ってスイマセン。
年末休みに入り、業者のみなさんもお休みに入られたようで、ようやく僕も少し時間が取れるようになりました。(笑)
この隙(?)を使って、表題のごとく、TESEの歴史を振り返っておきます。

TESEとは、testicular sperm extractionの頭文字をとったもので、日本語では「精巣内精子回収法」と訳されております。
精巣(睾丸)の中の精子(精巣内精子)を採取するための手術ですね。
今日、射出精液内に精子がいない、または射出精子では妊娠を成し遂げるために有効な精子が得られない場合に行われています。
代表例は無精子症ですね。
その他にも、脊椎損傷後や逆行性射精などの射精障害、死滅精子症などでも行われることがあります。
ご存じの通り、今日では多くの不妊治療のクリニックで広く行われている手技です。
管理人もARTクリニック勤務時代、毎日のように実施させていただいておりました。

同じTESEでも、現在ではsimple-TESE(またはcTESE←コンベンショナルTESE)と言って、精巣を小さく切って、そこに偶然露出してきた精細管から精巣内精子を回収する方法と、MD-TESEと言って精巣を大きく開けて、精細管を顕微鏡で拡大して精子のいそうな精細管を取ってくる方法があります。
特にMD-TESEはある程度のトレーニングを要します。
僕も修行時代は目を閉じても精細管の残像が残るぐらいまで見させていただきました。

今では、特にNOA(非閉塞性無精子症)の精巣内での造精は均等に行われているわけでは無く、局所的に(まだらに)行われている(英語の論文でよく"heterogeneous"という単語が用いられます)ことが常識となっているわけです。
よって、現在では

造精機能が精巣内のどこでも均一で行われているであろうこと("homogeneous")が予想される場合は、(特に場所を選ぶ必要が無いので、手術侵襲の低い)⇒simple-TESE
NOA(非閉塞性無精子症)のように、造精が高度に偏在している可能性が高い("heterogeneous")場合⇒MD-TESE

と使い分けるのが一般的だと思います。
但し、今日のこの常識的見解にたどり着くまでには、歴史的には6年間の時間が費やされています。
この点を次回解説したいと思います。

(続く)
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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