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医者の一言

今日の診療中、こんなお話しを聞きました。
近所の医師から、「妊娠を目指すのに潤滑ゼリーを使うことはあり得ない。そんなことを推奨する医者(←僕のこと)はおかしい」と言われた。と。

・・・・非常に残念なことです。
潤滑ゼリーの妊娠に対する影響は、現在、医学論文ではこのような見解です、というのは僕のHPですでに解説済です。まずもって、医師たるもの、自分の専門分野に関しては、やはり常に情報をupdateする姿勢を怠ってはいけないのでしょう。
で、自らが確証を持てないこと/知らないことは、やはり素直に認め、「そのことはわからない」ときちんとお答えすべきなのでしょう。
そして何より、もし否定するなら、その代替案をきちんと提示すべきなのでしょう。

もちろんそんなもの不要で性交渉に不満のない方は無しでいいわけです。
潤滑ゼリーがvitroで(体外で精子とゼリーを直接混ぜた場合)悪影響なのは僕も承知しています。
では、性交渉が痛くて辛くてという方はどうすればいいのでしょうか?
「歯を食いしばって頑張って耐えよ」
ということなのでしょうか?

痛いとわかっている歯医者に好んで行きたい人はいません。
痛いとわかっている性交渉はどうでしょう?
そうですね。嫌なんです。憂鬱なんです。
回避するのが普通です(性回避)。そうしてhyposexual desire disorder(性欲低下)に結び付きます。
ますます性交渉の回数が減ります。
妊娠なんてどんどん遠くなります。

潤滑ゼリーの使用はvivoでは(実際の性交渉での使用では)妊娠率を低下させるというデーターは出ていないのは、リンク先でも解説した通りです。
で、
「「潤滑ゼリー」を使用することで、性的活動度が上昇し、性交回数が増えるのではないか?」
これが重要なのです。
痛くて辛くて性交渉が嫌で避けている人が、性交渉が持てるようになる。
で、すくなくともvivoでは妊娠率を低下させるデーターは出ていない。
・・・・頼むよ。

医者の何気ない一言は、患者様にとっては非常に重い一言で、時に人生を変えうるわけです。
我々の一言はそれだけの影響力を持っています。
僕も、この点十分肝に念じ、自身の人生を僕に預けてくださる患者様に接していかねばならないと改めて感じました。


P.S.
あ、リンク先、思わせぶりな書き方で終わってましたね。
「上手に賢く効果判定しながら」なんて意地悪な書き方でした。
潤滑ゼリーの効果が気になるなら、フーナーで確認すればいいわけです。
僕の少ない経験上では(笑)、元気ですよぉ。すごく。
「これが本当に性交渉が辛くて回避していた人なのか?」と思うほど。ね。
ただそれだけ。

あんまりこういうnegativeな文章は書きたくないね(笑)。
僕の不愉快に皆さんを巻き込んで御免なさい。
今晩寝たら、明日は忘れてるので、明日はまた笑いながら楽しく診療しますよ!
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コメント

[C141] Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
なるほど、ユニークな発想ですが、おそらく「頸管粘液の代用」にはならなと思います。
で、フーナーの解釈ですが、フーナーテスト自体が結構胡散臭い検査であることは否めなく、とにかく検査のタイミングに非常に左右されます。
フーナーで0/0で「う~ん」なんて言っていた周期に妊娠!なんてこともよくあります。
但し、繰り返し、とのこと。
原因検索を進められるのもいいのかもしれませんね。
そんな感じです。
いい方向に進むといいですね。
応援しています。
  • 2015-02-21 08:48
  • どくさま改め「いわもと」
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  • 編集

[C140]

先生こんにちは。性交で痛みを感じたりはないのですが、数回行ったフーナー検査では動いている物がゼロでした。こんな場合もゼリー使用で妊娠が期待できるでしょうか。

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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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