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月経不順の不妊患者に対してどの程度の検査を行うべきなのか?(1)

「私たち不妊です」
とおっしゃって、僕の前にいらっしゃって下さる方々、もちろん全員その「妊娠しない理由」はさまざまなわけです。
そうした中に、明らかに「月経不順」の方がいらっしゃるわけです。
PCOとか、視床下部性とか。
で、この場合、こう思うわけです。
  • まず間違いなく、この『卵胞の育たなさ』が妊娠しない理由なのだろう。
  • 逆に言えば、ちゃんと排卵誘発して、排卵さえ整えてあげられれば、街中を歩く月経周期順調な女性たちと同じ条件になるはずで、つまりは、『ちゃんと排卵さえしていれば、その人は不妊でない可能性が圧倒的に高い』わけで。
  • では、このように「明確な原因があり、その原因が治療可能」である場合、そのほかの不妊原因を検索する検査は必要なのだろうか?

原因がよくわからない場合は系統立てた検索は当然必要なわけですが、原因が絶対的に明らかな場合、それ以外のスクリーニング検査はどこまで行うべきなのでしょうか?
そうした疑問を検討した論文がありますので、そちらを見てみたいと思います。です。
小分けにして読んでいきたいと思います。
本日はイントロから。

【Introduction】
  • 排卵障害を有する不妊症の多くはPCOであり、その第一選択はクロミフェンで、約80%で排卵が回復し、結果的に50%が妊娠に至る。
  • 第二選択としてはhMG、腹腔鏡下卵巣焼灼術などがある。
  • hMGの使用は、多胎妊娠のリスクが上昇するため、慎重な卵胞モニタリングが必要である。
  • 第三選択がIVFである。
  • このように、排卵誘発に関する治療方針に関しては一定の見解が得られているが、排卵誘発を行う前に、他の不妊因子をどの程度検索すべきなのかの一定見解はない。
  • ドイツのガイドライン、NICEガイドライン、ASRMは、無排卵または稀発月経の不妊患者に対しては、精液検査を行うことを推奨している。
  • ASRMでは、さらに、「35歳以上で子宮卵管異常を起こしうる既往がある場合は治療開始前に」+「その他のケースでは治療開始して3-6周期排卵を起こしても妊娠に至らない場合」に卵管造影を行うことを推奨している。
  • しかしながら、これらのガイドラインはエビデンスに基づいているわけではない。
  • 今回我々は、この点を検討してみた。

【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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