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産婦人科の専門医制度について

「専門医」という話が出てきたので、産婦人科医の世界の「専門医制度」はどうなっているのか?を解説したいと思います。

僕らが大学(医学部)を卒業したころは、そのまま直で自由に希望の「科」に進んでいました。
何科に行くのかは自由に決めることが来ます。
(今は「研修医制度」というのができており、大学卒業後2年間は「初期研修」というカリキュラムをこなす必要があります。で、この2年間の初期研修を終えてから、自由に科を選択します。)

で、こうして「産婦人科を専門とする!」と決めると、普通まず最初に取るのが「産婦人科専門医」です。
大学卒業後、5年間の研修(今なら、初期研修終了後3年間の研修)後に試験を受けます。
だから、医学部を卒業して6年目の最中に試験があります。
試験はペーパーテスト+面接。
難易度は・・・・・、最近は「難しい」と言われているようですが、少なくとも僕の知り合いのDrで落ちた人は知らないです。
(僕の少し先輩の世代は、そもそも試験が無かったそうです。僕の時はありました。)

で、この「産婦人科専門医」というのは「基本診療領域専門医」といって、産婦人科医たるもの、基本的にほぼ全員が年月が来たら取ることになります。

で、この「産婦人科専門医」を取った後、産婦人科領域の中でも特に何を専門にしたいか?を決めて次の専門医を目指すことになります。
大きく分けて次のようなものがあります。
  • 婦人科腫瘍専門医・・・子宮がんや卵巣がんなどのがん治療を専門とする
  • 周産期専門医・・・妊娠・分娩などを専門にする
  • 生殖医療専門医・・・生殖医療・不妊治療を専門とする
が基本でしょうかね。
他にも、「婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡の手術の技術認定)」とかあります。
で、こうした専門医は、「産婦人科専門医+α」なので「サブスペシャリティー」なんて呼ばれることもあります。

(腫瘍専門医、周産期専門医は条件よく知らないのですが、)生殖医療専門医は、産婦人科専門医(または泌尿器科専門医)取得後+3年の研修が必要で、さらに論文+学会発表+学会出席が必要です。
で、3年間の研修を終えると、試験です。
ペーパーテスト+面接です。

なので、大体最近の産婦人科医は
  • 産婦人科専門医+婦人科腫瘍専門医
  • 産婦人科専門医+周産期専門医
  • 産婦人科専門医+生殖医療専門医
のどれか、となっているパターンが多いです。

最近の世の流れとして、この「+α」(=サブスペシャリティの専門医)をきちんと取得することが求められている感があります。
僕も「いらないかな?」と思っていたのですが、この(サブスペシャリティの専門医資格)で、行ってよい医療行為が制限されてくる流れのようです。
例えば、「未受精卵子の凍結保存」に関して、こんな勧告が出されています。の5ですかね。
「少なくとも一名の常勤の生殖医療専門医を擁すること。」
とありますね。

こうした傾向はおそらく今後さらに加速されると思います。
おそらく手術分野がそうなってくるでしょう。
腹腔鏡手術のニュースなどを見ていると、何よりも世論がそうなることを望んでいると考えるべきでしょう。
当然と言えば当然な流れなのでしょう。

他の分野はよく知らないのですが、日本生殖医学会は生殖医療専門医の名簿をHP上で公開しています。今は「専門医でなければ不妊治療をしてはいけない」というわけではないのですが、でもだんだんそうした方向になっていくんでしょう。
前出の「未受精卵凍結」も生殖医療専門医資格が求められていますし、ARTそのものもそうなっていく可能性があるのかもしれません。
何より国民がそう望んでいるんでしょうね。

そんな感じです。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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