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子宮内膜症と着床障害(3)

【続き】

で、昨日ご紹介した小林先生の論文によると、「子宮内膜症患者さんの正所子宮内膜」で発現が低下していた29個の遺伝子が、染色体のどこにあるか?を調べてみると、そのうちの19個(=66%)が、いままでに「インプリンティング遺伝子」として報告されている遺伝子の近くに存在する、というのです。

さてこれは偶然にしてはできすぎでないかい?というわけです。
つまり、これら19個の脱落膜化遺伝子とゲノムインプリンティングの間には、何か関連性があるのではないか?という話なわけです。

つまり

ある女性が、そのお母さんのおなかの中にいるとき(胎生期)に、インプリンティング遺伝子の近傍に存在している脱落膜化関連遺伝子に「何らかの誘因により」エピジェネティックな変化が起こってしまう。
     ↓
子宮内膜が脱落膜化機能不全に陥る(=着床障害)。
     ↓
こうした女性の子宮内膜は相対的に増殖能が亢進している。
     ↓
この「増殖能が亢進した子宮内膜」が月経血逆流を繰り返し、骨盤腔内に何度も辿り着く。
     ↓
こうした「生着しやすい」子宮内膜が子宮内膜症を発症させる。

というわけです。

非常に興味深い説ですよね。
で、この「胎生期に起こるエピジェネティックな変化」と言えば・・・・、そう。本ブログでも過去に取り上げた「DOHaD」ですね。
えっと、です。

【続く】
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コメント

[C172] Re: 開院おめでとうございます。

コメントありがとうございます。

僕も不妊治療を断念された後の患者様の婦人科疾患の経過観察をさせていただくことがあります。
皆さん、新たな目標を見定められて闊達に歩まれていて、不妊治療に専念なさっていた時よりずっと健康的に見える点に驚かされます。
不妊治療中がいかにストレスフルなのかと思い知らされるばかりです。
皆さんにはもっともっと大きな視野で、もっともっと自分の変化を楽しんでほしいと思っているのですが、なかなか難しいですね。
  • 2015-05-01 08:48
  • どくさま改め「いわもと」
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  • 編集

[C171] 開院おめでとうございます。

こんな遅いタイミングですみません。
以前にメールで相談させていただき、丁寧に返信をいただいたものです。
その節は、本当にありがとうございました。
結局先生にお会いする機会はなかったですが、このたびHPにて先生のお写真を拝見しました。
いつか不妊治療のクリニックをされたいとお書きでしたので一言お祝いのお言葉をしたく書き込みました。

当方すでに子作りは諦めてずいぶん経ちますが、やはり不妊で悩む女性がいることが気になって
時々不妊サイトを見て回っております。
その中で本日HPがリニューアルされてるのに気が付いた次第です。

いまだに筋腫、嚢腫、腺筋症、瘤水腫と婦人科疾患オンパレードですがうまく付き合っていくしかありません。

それでは、先生の益々のご活躍をお祈りしております。

  • 2015-04-30 21:45
  • ゆうなん
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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