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汝、そのAMH測るなかれ(2)

さて、僕は個人的に
「不妊症」を主訴に医療機関を受診した方全員に、スクリーニングでAMHを全例に測ることに絶対反対!
でございます。
(いや、ちゃんと診療して臨床的に必要な人を選んで測るならいいんですよ。
『健康診断的に』測るのは感心できない、と言っているのです。)

もうだいぶ前になってしまいましたが、
  • AMHを採血すると、大多数の人が平均値より低くなる。
  • そのAMH値が「正常範囲」かどうかは判定できない。
  • AMHを『卵巣年齢』と表現するのは無理がある。
という内容の解説をしました。
えっとこちら。
で、もう一つ、よくあるパターンが、
「私、もう閉経するかもしれない!!!!」
とパニックになっているパターンです。
30代前半~中盤ぐらいの方で、AMH測って、その値が0.いくつとかで低かった。
で、「もう明日にも閉経するかも!」みたいにパニックになっている人。

・・・・・かわいそうに。

では、クイズです。
30才のAMHが0.15の方がいました。
この方の推定閉経年齢は何歳だと思いますか?


で、今回ご紹介するデーターはこちら。です。
この論文は、PDFで入手可能です。この論文の、「TABLE3」を見てみてください。



一番下に年齢が書いてあります。
30-32才のAMHが0.15は、一番下ですね。
この数字はどんなもんなのか?
ず~~~っと右に行くと、5パーセンタイルと書いてあります。
ということは、30-32才の20人に1人はAMHが0.15より低くなる、ということですね。

ま、今日はこの話題ではないので、さらに右にず~~~っと行くと、出てきました。
「predicted age at menopause」は、Medianが48.8才、5~95パーセンタイルで42.1才~53.0才です。
で、この辺の数字、上から眺めていくと、確かにAMHが高いほど閉経が遅くなる傾向がありますがそれでも、閉経平均年齢で48.8才なわけです。

「来年には閉経してしまうかもしれない!!!」
まあ、確かに「可能性」は否定はできませんが、どんなもんですか?

もう一度同じ事書きます。

その程度の価値しかないものなのに・・・・・。本当に可哀想なぐらい悩まされて、精神的に追い詰められてしまっている方のいかに多いことか。
そうした精神状態こそ、逆にreproductionに対し、ネガティブに働くんじゃなかろうか?という状況だと、本当に危惧しております。

AMHをルーチーンで計って、患者さんを不安に陥れるの、どうですか?
医学的に真に適応があるときだけにしませんか?


これが僕の思いなのです。
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コメント

[C195]

拍手コメントくださった方へ。
コメントありがとうございます。

>ところで、ホームページの方の、不妊治療の方のページで、受診後の一般的な流れの項目ですが、ご主人様の検査の方に内分泌学的検査(FSH、LH、PRL、E2、T)が含まれているようです。ちょっと気になってしまったので、コメントだけさせていただきます。

はい。ご主人様の内分泌検査、奥様がするよりずっとずっと意味がありますよ。
  • 2015-07-02 14:31
  • どくさま改め「いわもと」
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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