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ルティナス腟錠に感謝

体外受精(顕微授精)の治療周期には、通常、何らかの形での黄体ホルモンの補充が行われるわけです。当院では、皆様ご経験いただいている通り、現行「ルティナス」を使わせていただいております。
ちょっと高いお薬なのですが、実は以下のような経緯があります。

ちなみに、排卵誘発やら黄体補充で利用される薬の『レシピ』は、ARTを教わった「師匠」の流儀が色濃く反映される傾向があるので、他院の『レシピ』はなんだかよくわからないことが多々あります。
僕もよく、他院の処方について質問をされることがあるのですが、その『レシピ』がよく理解できないことも多いのです。

で、黄体ホルモンの補充(今、皆さんにやってもらっている「ルティナス」に相当するもの)は、僕がART修行をしていたころは「連日の筋肉注射」でした。
毎日毎日毎日毎日筋肉注射です。
だから、高刺激の方は、排卵誘発で連日注射、黄体補充で連日注射といった感じでした。
アレルギーが出ることもしばしばで、大変そうでした。

で、僕も今回開院するにあたり、この黄体補充をどうしようか?と考えていました。
実は当時(といっても去年の今頃なのですが)、まだ国内で認可されたプロゲステロンの腟座薬というのが存在しなかったのですね。
なので、修業時代通り、連日注射にするか?はたまた、海外製剤の輸入????なんて悩んだものです。
(海外製剤の輸入は、一体誰がその成分や有効性、安全性を担保してくれるんだ?という大疑問があったので、自分の患者さんに投与する、という行為に非常に抵抗がありました)

そうした折、ちょうど今から一年前位、まさに僕が開院準備をしている最中に、ようやくプロゲステロン腟錠が国内の製薬会社から販売される、という話を聞きました。
その時は「何とタイムリーな話だ」と、興奮したのを覚えています。
因みに、興奮のあまり、本ブログにも記載しました。です。

そんな経緯で、当院の黄体補充は「ルティナス腟錠」なわけです。
もし、この「ルティナス」の発売がなかったら、今頃皆さんは、胚移植後、毎日毎日の「通院注射」だったかもしれません。
不満もあまり聞かれない(?)様ですし。
何よりご体験いただいた方にはお分かりのように、効果(妊娠率)も十分なようです。

「フェリング・ファーマ」という製薬会社の製品です。
そんなわけで、僕個人的にも「フェリング・ファーマ」には非常に感謝しているわけです。

・・・ただし、国内認可で独占状態なので、多少お高いのが玉に傷ですが。
近未来、他の製薬会社からも類似製剤が出てくるそうなので、そうなるともう少し安くなりそうです。

そんなわけで、皆さんにお使いいただいている「ルティナス」には、そんな事情があるのです。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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