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インフルエンザワクチンについて(2)

ということで、集団接種用のインフルエンザワクチンには「チメロサール」という水銀化合物が極少量含まれています。

きっかけは、1928年1月に、オーストラリアでジフテリアの予防接種の注射薬に病原体が混入して、注射を受けた多数のこどもが死亡した事件がきっかけだそうです。
で、チメロサールは微量でも強い殺菌作用があるため、ワクチンの防腐剤として添加されるようになり、その後世界各国で使われてきた、という経緯だそうです。

で、時代とともに乳幼児が接種するワクチンの種類が増えてくると、
「流石に、水銀の量多くない?」
という疑問が呈され、
「自閉症の症状と水銀中毒の症状が似ているんでない?」
「もしかしたら水銀中毒の結果として自閉症になってるんでない?」
という仮説が出てきたそうです。(ちなみにこの説は、この論文の著者名から、「Bernardの仮説」と呼ばれ、この分野では有名な説なのだそうです。)

で、この説は現在は否定されているようで、それが、(1)の「産婦人科診療ガイドライン 産科編2014」に書かれていた、

『懸念されていた自閉症との関連性も否定された。』

の一文に繋がっているわけです。


「チメロサール」は体内で代謝されて約50%が「エチル水銀」になるそうです。
エチル水銀の血中濃度半減期は1週間未満とされており、メチル水銀より約10倍早く排出されるとされているようです。

では、計算してみましょう。
(非常に荒っぽい計算をしますので、信憑性には欠ける点をご承知おきください)


「産婦人科診療ガイドライン 産科編2014」に記載の如く、集団接種用のインフルエンザワクチンには

『チメロサールを含んでいる製剤もその濃度は0.004~0.008mg/mLと極少量であり・・・』

とあります。
インフルエンザワクチンの接種量は0.5mlですから、0.002~0.004mgですね。
で、この約半分が「エチル水銀」になる、ということは、0.001~0.002mg=1~2μg分ですかね。

で、「エチル水銀」より毒性が強い「メチル水銀」のはWHOの基準値が約0.22μg/kg体重/dayだそうなので、体重50kgとして・・・11μg/dayですね。
ということは、仮に毎日毎日ワクチン打っても、「エチル水銀」より毒性の強い「メチル水銀」の基準値には達しないということになりそうです。
化学構造云々を無視した非常に荒っぽい計算になっていますが、でも、少なくとも『極少量』という表現は言い過ぎではない感のようですね。


しかしながら我々日本人は「水銀」と聞くと・・・、水俣病ですね。
水俣病は「メチル水銀」。チメロサールは「エチル水銀」。
でも、やっぱり本能的に拒否反応があるわけです。

【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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