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Assisted Hatchingに対する考察(1)

(話題があっち行ったりこっち行ったりすいませんm(_ _)m。僕の個人的興味の向いている方向が複数あり、同時進行で勉強していきましょう!)

ARTの過程でAssisted Hatchingという手法が用いられることがあります。
「アシスティッド・ハッチング」と言い、日本語では「孵化補助」ですかね?
透明帯という、胚を覆っているたんぱく質の「殻」に穴を開ける、という行為です。
ARTの歴史上、非常に古くから行われている手技なのですが、これまたエビデンスが乏しい手技でして。
いや、むしろ「害があるんでない?」なんて意見もちらほら。

「凍結すると、透明帯が『固くなる』からAssisted Hatchingをするべきだ」
などと教わったのですが、
「あんた、触ったことあるのかい?!自分で揉んで確認したのかい?!」
と突っ込みどころ満載なのですが、
「まあ、そんなもんか?」
と飲み込めたような、喉に突っかかったような、といった感じでございまして。

で、たまたまスタッフさんたちと「Assisted Hatchingについて勉強してみよう」という話になっており、現在進行中でございまして。
その流れに乗って、ついでにここでAssisted Hatchingについてまとめてみたいと思います。

まず、今年の日本生殖医学会誌の10月号にまさにこの話題の抄録が載っていたので、コピペしてみたいと思います。
えっと、日生殖医会誌60(4) p232です


最近経験した一卵性双胎6症例の検討~特にAHとの関連性について~
高橋レディースクリニック 三宅美夏先生


当院で経験した一卵性双胎の症例を比較し何と関連があるか検討を行った。過去5年間で経験した一卵性双胎率はタイミング法 0.13%(1/768)、AIH 0.19%(1/533)、ART 1.00%(6/601)であり、ARTが高かった。今年度でもすでに1例確認されており、すべて凍結胚移植であった。凍結胚移植における一卵性双胎は6症例あり、共通点としてAHの施行があげられた。凍結日、移植日、AH施行者に偏りはなく背景にも差はなかった。単一凍結胚移植での一卵性双胎率をAH有無で比較したところ、AH有群 1.8%、AH無群 0%となりAH有群のみで一卵性双胎が発生した。AH施行により一卵性双胎が増加したが、このリスクを冒してまでAHを行う必要があるのかを検討したところ妊娠率、流産率はそれぞれAH有群 40.3%、27.1%、AH無群 44.0%、15.3%となりAHによる臨床成績の向上は見られなかった。以上よりAHは臨床成績の向上は期待できず、一卵性双胎を増やす原因になっているのではないかと考えられる。



はい。そうなんですね。実は、凍結胚のAssisted Hatchingはかな~~~り眉唾で、かつこの演題も指摘しているように
「一卵性双胎(一絨毛膜性双胎)のリスクを上げているんではないかい?」
という、逆にハイリスク妊娠を生み出す原因となっているのではないか?と懸念されているようです。

【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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