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Assisted Hatchingに対する考察(8)

僕は医者になってから、それこそ直近はやったドラマのような世界の産婦人科医をやっていました。
(ま、今もやってるんですが。)
twin(双子)は、多くは元気な2人の赤ちゃんが生まれてきます。
でも、TTTS、MD twinの一児IUFD、一方の子が具合がなにか悪くなると、もう一方の元気な子の方も犠牲にしなければならない、などなど散々痛い目を見てきました。
triplet(三つ子のこと。品胎と言います)は周産期管理したことがありません。

その後、不妊治療の修行のため、この世界に飛び込んだのですが、当時正直なところ、ART妊娠における多胎妊娠のあまりの多さにカルチャーショックを受けました
ARTの闇の部分ですね。
当時まだDET(2個移植)が当然のように行われていた時代でもありましたが、DD twin(基本的に二卵性~そうでない場合もありますが)だけでなく、MD twin(一卵性)もやたらに多い

そんな中、昔書いた論文がこれです。
で、その中の「図1」がこれ。



わかりますか?胎嚢の中に『輪っか』が3個あるんですね。
この『輪っか』、卵黄嚢と言います。
普通は1個。
そう。一卵性の三つ子なんです。
正式には、一絨毛膜性三羊膜性品胎ということになります。


結局、ARTの何が、自然にはそう簡単には起こらないような多胎妊娠を発生させてしまうのか?
排卵誘発??
胚盤胞培養??
ICSIやAssisted Hatching等の透明帯操作??
・・・・

リスクとリターンを天秤にかけて、リターンの方が多かろう、ということは積極的に提案すべきです。
でも、科学的にリターンがあるんだかないんだかよくわからんようなことを
「固くなってるかもしれないから」
とか。
ね?
どうよ?

そんなわけで、
「出生率が間違いなく上昇する。take-home baby rateが間違いなく上昇する」
というエビデンスが出ない限りは、僕はやるまい、と思っている
わけです。

さ、これにてAssisted Hatchingのお話しおしまい。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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