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祝!妊娠報告~その10:卵管留水腫で症例報告させていただいた方です!

ちょっとバックグラウンドが長いです。


【バックグラウンド】
卵管留水腫がある方が体外受精をする前には、何らかの方法で留水腫を起こした卵管と子宮の間の連絡を断ち切ることが推奨されていて、現行、コクラン(2010)+本邦産婦人科内視鏡手術ガイドラインでは「腹腔鏡下卵管切除または卵管閉塞(切断とかクリッピングとか)」が推奨されています。

僕も実際、日赤時代には、「腹腔鏡下卵管クリッピング」ないし「卵管切除術」を施行させていただいていたのですが、これは即ち、「腹腔鏡下手術」が必要となり、そもそも骨盤内癒着があるはずの卵管留水腫の方の手術は、リスクもあり、かつ、腹腔鏡とはいえ、さらに癒着を増強しかねないわけです。

これに対し、海外では「Essure」という医療器具が使われています。
Essureは、そもそもは子宮鏡下に卵管の中に専用のコイルを詰めて、3か月すると、そのコイル周辺に線維化が起こり、卵管が閉塞する、というもので、本来の目的は「避妊」です。
アメリカFDAでは2002年に認可されています。

「子宮鏡下に卵管閉塞が起こせる!」
・・・ということは、卵管留水腫の「卵管-子宮間」の交通遮断に使えるんではなかろうか?
しかも、腹腔鏡なしで!

というのに最初に目を付けたのが、Rosenfield先生たちで、2005年にBMI 50.0(!)という、全身麻酔禁忌と考えられた卵管留水腫の方に施行してみて、その後体外で双子(!)の妊娠が成立した、という報告をしています。この最初の症例報告から今年で11年になるのですが、この方法は世界中で広まっているようで、2014年のBJOG(←イギリスの産婦人科学会誌)には、最初のsystematic reviewが載るまで来ています。こんな感じで世界では着々と臨床経験が蓄積されているのですが、残念ながら、今日現在、日本では未認可です。

で、日赤勤務時代、卵管留水腫合併体外受精反復不成功の方が僕を訪ねて来てくださいました。
「海外に行ってEssureをやって卵管を詰めて来る」
とのこと。
その後、凍結融解胚移植(凍結胚は他院にあり)のHRTをやってほしい、とのご依頼でした。
ま、お安い御用でしたので、お引き受けしたわけです。
で、一発妊娠でしたね。
Essureすげー!!すげー!!
感動しましたね。
因みに当時、お産も担当させていただきました。

「これが日本で導入される日が来るといいなぁ。」
ということで、患者様にご許可をいただき、症例報告させていただきました。
因みに、本ブログでも、度々記載してまいりました。
以上が今日の話のバックグラウンド。
【バックグラウンド終了】



で、本題。
この患者様、お二人目をご希望なさって、つい先日当院でARTをさせていただきました。
昨日が妊娠判定でしたが、結果がこれ。
(患者様には本ブログでご紹介させていただく事、ご快諾いただいております!)



\(^o^)/
新鮮周期一発妊娠でございます。
いや、Essure本当に凄いなぁ。
と同時に、卵管留水腫は本当に怖いなぁ、と思い知らされる方でした。
おめでとうございます!





【以下告知】

★体外受精説明会(ARTコーディネート)★
・体外受精・顕微授精をお考えの方への説明会です。
【5月開催分】
日時:2016年5月21日(土)18:30~20:00
場所:武蔵野プレイス 3階「スペースC」
(予備日(上記日程でご都合が付かない場合):5/29(日)10:30~クリニック内で予定しています)
予約:クリニック受付までお問い合わせください。
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コメント

[C245]

先生にはたくさんたくさんお世話になり、ありがとうございました♪
先生の日本でのバックアップがあったからこそ、私は幸運に恵まれたのです。
赤ちゃん待ちの方が、一人でも多くお幸せになられますように。
  • 2016-05-17 02:06
  • 猫ちゃん
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プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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