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「葉酸」は「トクホ」にはならないのか?

「妊活サプリ」として有名(?)な葉酸についてです。
いわゆる「サプリメント」としてお飲みになっていらっしゃる方も多いかと思います。

「(児の)神経管閉鎖障害の発症リスク低減」として、ある程度科学的に市民権を得ていると考えていいと思いますが、日本の行政としては「情報提供を行うこと」といったレベルで、思ったほど鼻息が荒くは無いことを、本編「妊活外来へようこそ」でも御紹介いたしました。では、「葉酸」に対する行政レベルの扱いはどんなものなのでしょうか?少し考察してみたいと思います。

さて、まずややこしいところから。
皆さん「トクホ」って耳にしますよね。
「血圧が高めの方に適しています」とか「糖の吸収を穏やかにします」とか、効果をうたっている食品ですね。
正式名は「特定保健用食品」と言います。
本来身体の構造/機能に影響を与えるものは薬事法により医薬品/医薬部外品に分類され、食品は身体の構造/機能への影響をうたえません。
但し、いくつかの例外があります。
「食品でも身体の構造/機能への影響をうたってもいいよ」というもの。
このうちの一つが「特定保健用食品(トクホ)」です。

「特定保健用食品(トクホ)」の制度自体は1991年より開始されましたが、2005年から制度が拡充され、「条件付きトクホ」「規格基準型トクホ」「疾病リスク低減表示トクホ」という3つの制度が加わりました。(各々の詳細は省きます。ご興味のある方は・・・ググって下さい!)

で、このうち、「疾病リスク低減表示トクホ」というのは、「医学・栄養学的に疾病リスクの低減リスクが確立しているものには、その表示を認めますよ」という制度で、今日現在
  • カルシウムと骨粗鬆症
  • 葉酸と神経管閉鎖障害
の2つがあげられています。

以上が長~~~~~い前置き(笑)。
さて、問題。

この疾病リスク低減表示トクホの2つのうち、今日現在、実際に商品として売られているのは各々いくつあると思いますか?

答え:「カルシウムと骨粗鬆症」が(多分)15個、「葉酸と神経管閉鎖障害」は何と今日現在ありません!0個!

制度自体は2005年、だから8年前からあるのに、認められた商品が一個もないとはこれいかに???
エコノミックアニマルらしからぬ失態では???
・・・・いえいえ、そうではないようです。ちゃんと申請はなされているようです。
でも許可がなかなか下りない、というのが現状のようです。

さてまた「ややこしいところ」へ。
「トクホ(特定保健用食品)」の申請・認可は現在消費者庁が行っています。
申請を受けた消費者庁はこの評価を依頼します。
有効性評価・総合評価を行うのが内閣府「消費者委員会」
安全性評価を行うのが内閣府「食品安全委員会」
になっています。

で、「ピュアカム葉酸」という商品名の葉酸の疾病リスク低減表示トクホへの申請の、食品安全委員会の議事録がネット上にアップされていました。前述のごとく「食品安全委員会」は安全性評価を行うところです。
内容を読んでみると、p15~ですかね。
委員の先生達の懸念は
  • 過剰摂取について
    • 生理的上限量付近で申請品を摂取することへの安全性
    • (人によっては)長期間使用する可能性が出てくる
  • 葉酸をサプリメントとしてとると、生まれた子供に喘息様の症状が出てくるという報告があること
などなど、まとめると、
現在の所、過剰摂取により、何らかのリスクはおきる可能性は否定できない。だから、過剰摂取が起きないような対策をしない限り、認可は難しい
安全性の担保ができない
という内容ですね。

p21の冒頭あたり~が生々しい。
「この製品に関しては、もう既に同様の葉酸を含有する物が2002年から販売されているということですけれども、その辺のところとの兼ね合いというのはどう考えればいいでしょうか?特保に関してだけ許すわけにはいかないということですか?」
結局、国が表示を認めたか認めていないかの違いだと思います。・・・・」
ヒョエー!コエー!
まあ、当然と言えば当然だけど、国のお墨付きってやっぱ厳しいんだね。

そんな状態です。
まずもってバランスのいい食事ありきで、飲む飲まないは御自身の御判断の上でどぞ。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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