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自然周期に育ってきた卵は本当に「最良」なのか?(1)

体外受精を行う際には、多かれ少なかれ排卵誘発が行われることが多いわけです。
一般的にはhMGの連日注射を行い複数個の卵胞を発育させるのですが(高刺激法)、低刺激法といって内服で排卵誘発を行う方法や、場合によって排卵誘発を全く行わずに完全自然周期で採卵を行う場合もあります。

どの排卵誘発法が適しているのか?は個人個人の状況によって当然異なってくるわけで、使い分けを行うべきだと僕は思うのですが、一方で、「低刺激がよいのだ」とか「自然周期こそ最良」とする考えもあるようで、その理論としては、

その周期に育つ卵胞は、体が選択してくれたものである。
すなわちそれは、自然淘汰の摂理が働いているわけだから、自然に育った卵胞内の卵子が、その周期最も質の良いものである。
なので、無理に排卵誘発をして、多数の卵胞を育てる必要はない。


といった感じでしょうか。
確かにこれが科学的に正しいなら、「低刺激法」や「自然周期法」は非常に魅力的なわけです。
科学的に正しいなら。

一方で、科学的に正しくないなら、少数の卵胞発育では、「卵子が得られない(いわゆる『空砲』)」「正常受精しない」「分割が途中で停止してしまった」となり、胚移植にたどり着けない可能性が高まるわけで、「採卵周期当たり」の妊娠率は低下することになり、それはすなわち、体外受精で最も侵襲の強い『採卵』を繰り返させてしまうことになるわけです。

自然周期に育ってきた卵は本当に「最良」なのでしょうか?

【続く】
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コメント

[C263]

このテーマ非常に気になっていました!
病院によって方針が大きく異なるようで、私のような素人は迷ってしまいます。
続き楽しみにしています!
  • 2016-08-30 20:46
  • にーな
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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