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卵質改善に向けての試み~「メラトニン」について(3)

【直近のメラトニン併用の論文のreview】

ということで、「メラトニンと卵質改善」を検討した直近の論文を見てみたいと思います。
各々の検討が、どんな患者さんを対象としてメラトニンを使用したか?という視点で見てみてください。


  • 睡眠障害を有する60人をメラトニン投与群(A群)30人とコントロール群(B群)30人で比較検討
  • A群はday3-5からhCG投与日まで3mgのメラトニンを22~23時に内服
  • 排卵誘発はLong法
  • A群(メラトニン群)で、採卵数(11.5 ± 6.3 v.s. 6.9 ± 3.8)、成熟率(79.6% v.s. 62.3%)、グレード1胚率(69.3% v.s. 44.8%)が有意に改善した。
  • 睡眠障害を有する患者では、メラトニン投与により卵子-受精卵の質が上昇するのかもしれない。



  • 「メラトニンが特別必要だ」という条件はなし、一般的な患者さんが対象
  • 85人をメラトニン投与群(A群)40人とコントロール群(B群)45人で比較検討
  • メラトニンは3mg/day、排卵誘発はLong法
  • 胚の評価はVeeck分類(すなわちG1は「割球が均等でフラグメントがない」)
  • 採卵数は両群間で有意差なし。
  • MⅡ率(=成熟率)は81.9% v.s. 75.8%でメラトニン群のほうが有意に良好
  • G1胚はメラトニン群で平均3.28個(33.7%)、コントロール群で2.53個(30.4%)でメラトニン群のほうが有意に良好
  • メラトニンは卵子―胚の質に対しpositiveに働く可能性が示唆された。



  • 初回の体外受精トライで卵子―胚の質が悪かった患者97人が対象(受精率が60%以下+良好形態胚が無い+胚盤胞が得られない)
  • 初回トライが上記経過の患者に、2トライ目のhCG投与日までに最低2週間メラトニン3mg/dayを内服してもらった。
  • で、1stトライ v.s. 2ndトライで比較
  • 初回トライで受精率が60%以下だった患者25人では、受精率が35.1±21.5%→68.2±22.0%に有意に上昇
  • 形態良好胚も48.0±30.3%→65.6±26.1%に有意に上昇
  • 受精率が低く、胚の質が悪い患者にはメラトニン投与を考慮すべきである。



次回、総括してこの話題を終わりにする予定です。
【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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