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着床の面から不妊治療を再考察してみる(5)

【目次】

【習慣流産と「着床過多」の関連性】

そんなわけで、流産を繰り返す方は、確かにバンバン妊娠反応が陽性に出る気がするわけです。
で、その妊娠がまた流産になりやすい気がするわけです。

人間の受精卵は想像している以上にずっと染色体異常卵が多いわけです。
排卵し、受精しても、染色体異常胚が卵管の中を転がっている月の方が多いわけです。
染色体異常胚は確かに分割が停止してしまうものも多いのですが、実は染色体異常があっても普通に胚盤胞まで発生してきていることも多いわけです。
で、確かに、そんな「胚盤胞まで発生してきた染色体異常胚」をいちいち着床させていたらキリがないわけです。
そこで「子宮内膜の胚選択能」の出番、というわけです。
そうした胚を子宮内膜が拒絶し、くっつけないわけです。
上手くできてるなぁ!

で、この「子宮内膜の胚選択能」が『甘い』状態だと、本来なら相手にしなくていい(してはいけない)「胚盤胞まで発生してきた染色体異常胚」すら着床させてしまうわけですね。
でも、その胚は染色体異常を持っているので結局は流産になってしまう。
つまり、「着床を拒絶して」排除するか?「着床させてしまって、結局流産として」排除するか?の違いになっているわけです。
で、後者が「習慣流産」として顕性化してきているのではないか?というわけです。

ということは、こうした理由で習慣流産になっている方は、なんでも着床させてしまうので「妊娠反応は陽性に出やすい」筈です。

ありました。そんなデーター。


Table 1です



上の「Predicted」が「予想値」、下の「RPL patients」が「習慣流産患者さん」で1か月・3か月・6か月後に妊娠している割合だそうです。
この論文によると、「習慣流産患者」は「次回妊娠まで至る時間(time to pregnancy)」が短い、かつ、この「次回妊娠まで至る時間(time to pregnancy)」は母体年令には影響されない、と記載されています。

つまり、加齢とともに染色体異常胚の割合が増え、「子宮内膜の胚選択能」によりブロックされるので、次の「染色体正常胚」が来るまで妊娠反応が出なくなるわけで、「次回妊娠まで至る時間(time to pregnancy)」は母体年令とともに長くなるはずです。
が、「習慣流産患者」は、染色体異常胚を受け入れてしまうので、「次回妊娠まで至る時間(time to pregnancy)」は、変わらなくなるということのようです。

続く
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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