Entries

誰のための生殖医療か?

現在、不妊治療の現場では欠かすことのできない「胚の凍結保存」という手法があるわけです。
上手に使うと、非常に有効な手段たり得るわけですが、一方で凍結保存時と融解時に時間的な経過が存在することになり、ここにいくつかの問題点が内在することがあります。

今朝方、この点についてのニュースが流れました。
要約すると、

不妊治療を行い、胚を凍結保存していた。
   ↓
保存期間中に、夫婦の関係が悪化して別居→離婚
   ↓
離婚後、妻の求めのみで凍結胚をET
   ↓
お子さんが生まれた
   ↓
(過去の)夫は困惑


というわけです。
「同意書に夫のサインがなかった」云々が論じられています。
ま、確かにかかわった先生がどうだったのよ云々といういかにもマスコミレベルが好みそうな議論はあるでしょうが、そのレベルの結論は裁判ないし学会が論じてくるでしょうからその結論を待てばいいわけで、そういうレベルの話ではなく、僕がこの記事を読んでの感想は
「生まれてきたお子さんはhappyなのだろうか?」
とうい視点で考えてあげて欲しいわけです。

生殖医療の特殊性として
「まだここにはいない『生まれ来る子供』の幸福」
を考える必要があるわけです。
例えば美容整形は患者様本人がhappyになればいいわけですが、生殖医療では患者様本人がhappyであり、かつ、生まれ来る子供にもhappyになってもらわないといけないわけです。

「このご夫婦の間に生まれくる赤ちゃんはきっと幸せだろうな!」
と思える状況にあって、初めて不妊治療をお引き受けするべきなのでしょうね。
この視点を忘れて、「技術的にできるから」「目の前の人(だけは)happyになるから」、と何でも求めに応じてやってしまうのは、やはり問題なわけです。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

カウンター