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着床の面から不妊治療を再考察してみる(7)

【目次】

さて、久々にまじめに勉強の話題。
すっかり時間が経ってしまったので復習しておくと、子宮内膜には胚の選択能が存在するのでした。
つまり、赤ちゃんになりそうな胚は受け入れて、イケてない胚は拒絶するわけです。
で、この性能に個人差があるのでは?という話でした。

赤ちゃんになりそうな胚どころか、イケてない胚でも何でもかんでも受け入れまくりになると、(原因不明)習慣流産
     ↓↑
ちゃんと赤ちゃんになりそうな胚を受け入れ、イケてない胚を拒絶する、正常状態
     ↓↑
イケてない胚はむろん、赤ちゃんになりそうな胚すらも拒絶すると、着床障害


と、連続病態で考えると、着床障害と(原因不明)習慣流産は相対する病態なのかも知れない、という話でした。

僕は、この話を初めて聞いたとき、いままで経験してきたことが見事に一本に繋がった気がして、爽快感を味わいました。
それは、エビデンスの有無は別として、
・子宮内膜を傷つける
・子宮内にG-CSFを注入する
・アスピリンを使う
・ステロイドを使う
等の、着床障害やら習慣流産やらの治療策として試みられている方法の多くが「炎症を起こす」or「炎症を抑制する」手段、つまりは「炎症をプラスなりマイナスに動かす」方法なわけですが、これが一本の線の上に見事に乗った気がしたからです。

以下、僕もよく理解できてないので、あくまでも僕の空想ですが、お付き合いください。

注:以下、あくまでも僕個人の感想(エビデンスレベル6)です!「便所の落書き」レベルですのでご注意下さい。


【着床を司っているのは、どうやら「炎症に関連した細胞」らしい】

着床のkeyを担っているのは、どうやら「子宮NK細胞」と呼ばれる細胞なのだそうです。
この細胞は排卵後に増殖しはじめ、黄体期中期(子宮内膜で言うと分泌期)~妊娠初期の子宮内膜に存在するNK細胞の大多数はこの「子宮NK細胞」というのになるのだそうです。

NK細胞とはリンパ球の一種、ナチュラルキラー細胞の事で、もともとは「殺し屋」細胞。体にできた癌細胞やウイルスなんかを「殺す」細胞です。
ところが、「子宮NK細胞」は「殺さない」そうです。
絨毛細胞(胎盤になる細胞)を「殺さない」どころか、逆に「受け入れる」そうです。
結果着床を助け、妊娠を維持する働きを持っているのだろう、というわけです。

つまり、着床させる/させないは「炎症を担う細胞の一種」が担っているらしいのです。

【「習慣流産」/「着床障害」の治療法とされるのは、確かに「炎症を動かす」方法ばかりだ・・・】

着床障害に対して「子宮内膜を傷つける」と着床率が上がることが知られています。
つまり
「炎症を活性化する」と「着床障害の治療になる」

「薄い内膜」(=着床障害)の治療としてG-CSF(という、白血球を増やす薬)を子宮内に注入する、という方法があります。
これも「炎症を活性化する方法」だ。

つまり、「炎症を引き起こす方法」は「着床させやすくする」為の手段として用いられているなぁ。


一方で、習慣流産の治療として、(エビデンスの有無は別として)アスピリン(バファリン)やステロイドか用いられることがあるなあ。
アスピリンもステロイドも「炎症を鎮める」治療だなぁ。
つまり
「炎症を鎮める」と「習慣流産の治療になる」

ということは・・・・
  • 着床障害と(原因不明)習慣流産は相対する病態。
  • 「炎症を起こす」治療が「着床障害の治療」
  • 「炎症を鎮める」治療が「習慣流産の治療」
  • 着床は、子宮NK細胞という「炎症に関連した細胞」が司っている

・・・・あ、繋がった!(気がした)

待てよ。
確かに、妊娠しては流産し、妊娠しては流産し、を繰り返している患者さんが「バファリンを飲み始めました」と言ったとたん、なかなか妊娠しなくなることあるよなぁ・・・・。

・・・・あ、これも繋がった!(気がした)

内膜症や腺筋症の患者さんは「着床障害」になりやすい、とよく言われるけど、体外やってると、(内膜症や腺筋症で)移植するたびに妊娠反応陽性に出ては、結局流産を繰り返す人(着床過多)もいるよなぁ。
・・・ということは、内膜症や腺筋症が、必ずしもマイナス(着床障害)方向ばかりに変化するわけではなく、プラス(着床過多)方向に変化することもあるということかなぁ。

・・・・あ、これも繋がった!(気がした)

というわけです。

何やら「炎症」という言葉をキーに全てが一直線にキレイに並ぶじゃないですか!



・・・ちょっと待てよ。ということは、SEET法はどう考えればいいんだ????
【続く(予定)・・・やめとこうかなwww】
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コメント

[C317] Re: SEET法について

ご質問者様の場合は(僕が思っている方であれば)、別にSEET悪にはならないと思いますよ。
  • 2017-02-14 16:58
  • ドクターI
  • URL
  • 編集

[C316] SEET法について

こんにちは。転座の者です。いつもお世話になっております。

流産3回していますが(化学流産含めると数知れず)この一連の記事を拝見して、ちょっとこれ、もしかして着床過多?と思ったのですが、どうなのでしょう。。といっても、仮に着床過多だとしても、解決法はないですよね??

近々、凍結胚移植を考えているので、何でもかんでも着床してくれるなら大いに結構なのですが、「イケてる胚」の判断性能に問題があるってことは、「イケてる胚」を間違えて排除したりとかしないですよね?考えすぎでしょうか(汗)

他院でSEET法のご案内があるのですが、そんな私(着床過多疑惑?)には必要ないと思われますか?別記事に「諸刃の剣」って書いていらっしゃったので、やらない方が安全でしょうか。(やらなくていいならやりたくないです)ご意見頂けましたら嬉しいです!
  • 2017-02-14 11:28
  • K
  • URL
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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